一どんな活動をしていますか?
弊社は簡単に言えば、電子部品の小売業です。間接業者を一切省き、メーカーに直接在庫を問い合わせて、それをお客様にお届けしています。 仕入れの多くは国内のメーカーや市場からです。しかし、製造中止になった希少な部品などもこちらで扱うために、海外に在庫の問い合わせをすることもあります。中国、台湾、香港、韓国、シンガポール、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカなど・・・本当に色々な国からです。海外と言いましても、この業界では、みなさん片言の英語でもコミュニケーションを取ることができます。話すことはだいたい決まっていますから、そんなに難しいことはありません。見積もりを取って、価格の交渉をして、「なるべく早く送ってください」と、お願いしたり。基本的にはメールで問い合わせをしていますが、緊急を要する場合は、直接電話をします。英語は世界共通の言語ですが、国・地域によっては特有のなまりがあるので、時々骨を折ることもあります。
一はじめたきっかけはなんですか?
前に勤めていた会社が、同じように電子部品を扱う会社でした。しかし前の会社のシステムでは、お客様の要望にちゃんと応えることが出来ず、もどかしさを感じていました。それで、「ならば独立しよう」と決意したのです。
それから地元に戻り起業をしようとしたのですが、その頃は資金もなく、上手い具合に空き物件も見つからず、仕方なく実家の一室で始めました。最初は在庫を抱えずに対応していました。しかし、商品の買い取りを業務に加え、商品の段ボールが部屋に積み重なってきて、「そろそろ探さなくては」と焦り始めました。すると都合よく、すぐ近所にスーパーの空き店舗が出て、問い合わせをしたら貸していただけることになったのです。
都会の人なら、絶対にこんな田舎でやろうとは思いませんよね。私にとってはたまたま地元だったというのはもちろんありますが、交通の便が意外と良く、そして何より事務所の賃貸料が安いのは大きなメリットでした。もし東京で事務所を借りるとなると、かなりのコストを覚悟しなければなりませんから。
一一番大切にしていることはなんですか?
一般的な業者では、部品の最少発注数が決まっており、納期にも2ヶ月近くの時間が必要とされています。しかし、弊社では部品一個からの注文も受け付け、納期も一週間以内を目指しています。まさに、「スピードサプライ」という名の通り、〝速く供給する〟ことを心がけています。
海外からの部品調達に関しては、どこから買うかが非常に重要となってきます。安いからと新規の所で買うのは危険です。ある程度信頼できる所から買わないといけません。というのも、中には偽造されているモノや、壊れている粗悪品が混じっている場合があります。新品とうたっていても、「実際には使ってある物だった」などのケースも過去にいくつかありました。ですので単純に製品名と型式が一致して商品だけ見ても、「買おうという判断」が出来ないのです。市場調達には危険がいっぱいです。安い部品の返品ならまだしも、高い部品など万が一返品になったら、大損害になってしまいます。そして何より会社の信用を落としてしまいます。
一今後の目標を教えてください
目先の目標は、会社の体制をキチンと整え、人をもう少し雇えるようにしたいです。今は私を含め3人の社員でやっていますが、一人一人の負担が多すぎます。一つの案件が終わっても、別のお客様からどんどんご依頼をいただくのです。注文が沢山来ることは、この上なくありがたいのですが、正直てんやわんやです。繁忙期は一分ごとにメールが入ることもあります!
あとは『当たり前のことを当たり前にやる』ということです。うちは小さな会社ですので、一生懸命取り組んで、お客様の信頼を得られるようにしたいです。
アピールポイント
消費者の販売希望数に合わせ、余った在庫は保管している。しかし、世に星の数ほどある電子部品は、1000個集めても、売れるのはその中の10個程度だそうだ。
-コーディネーター紹介-
筑北村地域おこし協力隊 青木陽太郎