一どんな活動をしていますか?
この「来てくれる会」は地区の住民が主体になって活動している地域グループです。赤ちょうちんをぶら下げて公民館居酒屋をしたり、レコード鑑賞会などのイベントに協力したり、そういった活動を定期的に行っています。以前行ったクリスマスのレコード鑑賞会では、メンバーで凝ったイルミネーションを施して、お客さんにも楽しんでいただきました。 それ以外にも草刈り、地区内の古い文化財の整備、桜を植えての環境美化、公的活動では河川整備など、地区の役に立つことをしています。また、秋はキノコ狩り、年明けには新年会や三九郎など季節ごとのイベントも企画しています。更には2年に1度、親睦旅行も企画しています。
合併前の旧本城村(※1)では文化祭がありまして、ここ八木の集落は村の代表の出し物として、演劇をやっていました。元々イベントやお祭りが好きな人が多く、地域一丸となって何かを行う集落だったのだと思います。
月に一回行っている公民館居酒屋は、貴重な情報交換の場所になっています。皆さん政治の話から身の上話、趣味の話などに花を咲かせています。会への参加は強制していません。出られない人は無理しなくてもいいし、来てくれればありがたい。このように縛りを設けずに、出たり入ったり好き勝手にやっているのはお互い楽だと思います。
※1・・・平成17年に本城村・坂北村・坂井村が合併し、現在の筑北村になった。
一はじめたきっかけはなんですか?
元々この地区にはナイターソフトボールの同好会がありました。ですがみんな歳をとっていくにつれ、ボールは見えないし捕れないし、とべば(※2)どっかでつまずいて転んでしまう(笑)。そんな状況になったので、相手のチームに迷惑をかけない様にとソフトボールを引退したのです。しかし、この組織が消えてしまうと、集まる拠り所が無くなってしまう。「じゃあ全員集まれる場所をつくろう」ということで、最初は酒飲みを集めて会を立ち上げました。そうしているうちに、「どうせやるなら地区に貢献しようじゃないか」ということになりまして今のような形になりました。
※2・・・『とぶ』:長野の方言で「走ること」を表す。
一一番大切にしていることはなんですか?
ありきたりですが、地域の皆さんの「絆」、それに尽きると思います。また、飲んでいるばかりでなく、「一緒に働く」というのが組み合わさっていることが非常にいいことだと思っています。例えば草刈りにしても、一緒に汗を流すと仲間意識が強くなります。また、その後に飲むお酒も格別。こういったことがやりがいというか、長続きしている理由のように思えます。もちろん「来てくれる会」にはお酒を飲めない人もいます。飲める人も飲めない人も楽しくやっているのです。 定年退職されて普段自宅にずっといる人もいますから、そういう人たちにとっては出かけるきっかけとして、地域の拠り所になっています。始めて数年経ちますが、今となっては必要不可欠な存在になりました。
一今後の目標を教えてください
我々の子供世代は村外に働きに出てしまっているので、朝早くて夜遅いという生活をしています。ですので、こういった活動にはなかなか参加が出来ません。今後はどうやってこの会を継続させていくのか、という事が大きな課題です。そして、もっと参加者の世代の幅を広げたいとも思っています。正直今の活動で手一杯ですが、今後はイルミネーションなどにももっと力を入れて、灯篭を竹筒で作ったりと、アートな活動に力を入れたいですね!
アピールポイント
実は、前日に取材依頼をしたにも関わらず、この日は代表の前山英二さんの呼びかけで6人のメンバーが取材に応じて下さいました。話を聞いているとあれをやったらどうだ、これをやったらどうだとアイディアが湧き出ていました。机の移動一つを取っても、前山さんの一言でみんな一斉に動き出しました。結束力と言いますか、ものすごい地区のパワーを感じました。自分も負けていられませんね。
-コーディネーター紹介-
地域おこし協力隊 青木陽太郎