一どんな活動をしていますか?
愛友酒造では、お酒造りから販売、酒蔵見学対応の仕事をしています。一口にお酒造りといってもお米の選定、瓶詰やラベル作成などゼロベースで製品まで仕上げる為、自由度が高くやることも多岐にわたります。お酒造りの醸造の部分は杜氏さんが担っている部分が大きく、私は代表として会社全体の運営をしています。
――具体的な業務はなんですか?
お米の買い付けで農家さんや業者さんとやり取りをしたり、酒蔵内で使っている設備の更新をしたり、お客様からのご意見の対応をしたり、お酒のコンテストやイベントに出展したり、時には現場で一緒に作業したりしています。
――お酒造りはいつ頃から始まりますか?
当酒蔵のお酒造りは11月から3月末までです(取材日は10月)。寒仕込みという造り方で冬の気温を利用して冷たい空気の中で時間をかけてゆっくり造っていきます。また、お酒造りは湿度や温度など自然環境に合わせて作業にかける時間や水分なども異なるので、杜氏さんの長年の経験が大切になってきます。お酒造りの時期は、酒蔵内も活気があり、11月になるとやはり気持ちが高まります。
一はじめたきっかけはなんですか?
元々は違う仕事をしていましたが子育てなどを経て、家が酒蔵を経営していたこともあり酒蔵の仕事を手伝うようになりました。高齢になった母に変わって引き継ぐ形で2015年12月に代表になりました。
――始めた頃と変わったことはありますか?
最初はもちろん代表でなく会社の仕事を始めたので、継ぐことを考えてはいましたが、いざ代表になり自分でさまざま決定権を持つことで責任の意識は変わりました。もちろん、私一人の会社ではないので社員と相談をしてやっていくことが、とても大切だと感じています。悩んだりすることもありますが、自分の「これがいい」という感覚を大事にしながら一生懸命やっていきたいと思います。
一一番大切にしていることはなんですか?
お客様に愛友酒造のお酒を飲んでもらって「おいしい」と言っていただけることがやはり嬉しいですね。最近は海外のお酒のイベント等にも出展していて、海外でも扱っていただけるところが増えてきました。初めは海外展開に消極的だった私でしたが、海外出張時に実際に海外のお店に寄って私たちのお酒を飲んでいただいている様子を目の当たりにすると喜びや、やりがいを感じました。海外の和食ブームもあって日本酒も注目を受けているようですので、海外の方に「和食には愛友の日本酒」と思ってもらえるように地道に海外の販売も伸ばしていきたいと考えています。
一今後の目標を教えてください
会社運営の効率化を図っていきたいと考えています。例えば、これまで品種を増やしてきましたが、多くの種類を造るとなればお酒の種類が増え、それらに合わせた瓶やラベルも必要になってきます。品種を厳選してコストダウンや効率を図ることもこれからは、必要ではないかと考えています。一方で、お酒造りだけに絞るのではなく、お酒を活かした食品分野等にも挑戦を模索しています。
また、観光にも力を入れていきたいです。現在、酒蔵見学を年中無休で行っていて、ありがたいことに初詣やあやめまつりの時期、スポーツ観戦等にあわせてお客様にお越しいただいております。より多くのお客様に足を運んでもらえるように情報発信や酒蔵内の整備も進めていきたいです。当酒蔵に来るお客様が増えて、潮来の活性化につながってくれればうれしく思います。
アピールポイント
持っているのがSAKE COMPETITION 2016という日本一を決めるコンテストで部門別1位になった「純米大吟醸」です。「雄町(おまち)」というお米を使用した、精米歩合:50%の大吟醸酒。
学生時代にこのお米を知り、一度絶滅しかけたお米ということもあって、思い入れがありました。扱いにくい品種のお米で杜氏さんにどうしてもとお願いして造ってもらったお酒です。製造前から予約をいただくほどの人気で作って本当に良かったです!
-コーディネーター紹介-
長く続いてきた酒蔵を守るという責任はもちろんのこと、今までのものを守るだけでなく時代にあった形を考えているという方でした。酒蔵内はオフシーズンでもお酒の香りがほんのり漂う空間で製造シーズンにはさら豊かな香りが漂うこと間違いなしで貴重な製造工程を見ることも出来てお酒好きにはたまらない空間となるでしょう。日本酒が好きな私も何度も通いたくなる場所です!是非、皆さんも愛友酒造に足を運んでみてください!