聞き書き 生涯現役の山師

島根県鹿足郡吉賀町柿木村

カワモト タカミツ

川本 隆光

昭和15年9月7日生まれ75歳 40年以上にわたり山仕事に携わり続け、その傍らで棚田での稲作を実践している、半農半山師

一どんな活動をしていますか?

 高校を卒業して、山仕事をしている企業に就職して、その後大きな会社に転職したんよ。35年間務めたのう。仕事を退職して、若手育成のため3年間はその会社におったがのう。その後は少し休んだがのう、やっぱさみしゅうてのう。山仕事がしたいのう。と思うて自伐林家なんかをはじめたんや。自分の山の木を切って、運んで、売るところまで全部自分でやるんよね。儲けが全部自分にくるけえのう。自分で自伐林家をやりながら、ほかのこともやっとるんよ。半農半業しよる。 2反くらい作りよる。 会社に勤めとったときは17時まで仕事をしてそのあと家の仕事をするけえ、0時ごろまでやっとたのう。であくる日の6時にはまた勤めにでとった。今の若いものでここまでするものがおらんのう。山口の林業センターに勤めた。若いもんに架線を教えたり林業を教えたりするんよ。年に1回やっとるんよ。 まあね、高地から木が流れ出すちゅうことが魅力じゃったけえのう。 山の木をきるにも種類があってのう、全伐、間伐、択伐ちゅうのがあってのう。 しかし最近は木がうれん、木で家をつくらんにょうなったけえ。 その地方にある木を使って家をつくらにゃいかんのんよ。今は外材がほとんどじゃけえ、10年もすればダメになるんよ。

一はじめたきっかけはなんですか?

山が大好きでね、中学生のころから山が好きになるんよね、ちょうどそのころ山の架線ちゅうのを見よったんよ。空中にケーブルを張って空中を丸太がダーッていくんよ。学校から帰るとカバンを縁側にほおって、見に行った。こりゃすごいなと、 無線なんかない、手旗信号よ。それで木をどんどんだしよるんよ、これは面白い、これしかないなーと思うてなあ。 学校から帰ると、カバンをほっぽって山に行っとったんよ。 そこから山の仕事をしようと決めてたんよ。

一一番大切にしていることはなんですか?

やっぱ山が好きじゃけえのう。とことん山の事をやることやのう。 柿木は98%が森林やからのう。

一今後の目標を教えてください

これからの吉賀(かきのき)にどうあってほしいか。 Iターン、Uターンのものもおるが、有機農業を始めるもんもおるがうまくいかんのう。 さしむきとりつくことろと言えば、農業なんよ。じゃが本気にバカ正直にでもならにゃダメよ。携帯をいじくる暇があれば畑や木をみてほしい。 農業、林業を本気でやってくれる根性のある若いやつがこれからほしいのう。 あとは98%もあるこの木々をどう生かすかじゃ。今までにない新たな使い方を見つけにゃいかんなあ。そういうところも若いもんの知恵がほしいのう。

アピールポイント

-コーディネーター紹介-

ID107 島根県鹿足郡吉賀町

やまぐち あつてる

山口 敦央

1981年生まれ 千葉県出身  学生時代に環境問題に関心を持ち、「自給自足と地域づくり」をキーワードに地方に移住を決意する。 修行も含め、青年海外協力隊に参加。2007年より足掛け3年アフリカウガンダにて有機農業の普及活動を行う。 2010年より島根の西端 吉賀町に移住 自然栽培農業、ワサビ栽培、時々木こり 移住時より、古いものに関心をもち、古老の話を聞き続けてきた。 2014年 有志で「知恵を語り伝えるプロジェクト」を立ち上げ、「聞き書き」活動を通じて吉賀町の古い情報を記録していく活動を行っている。 自給的種採り農家、山葵栽培、山が好き