森を活かしてシゴトを創る!

長野県上伊那郡中川村

クボタ ユウダイ

久保田 雄大

1983年6月23日飯田市生まれ。 東京へ進学、大学在学中より世界中を自転車とバックパッキングで旅をする。 渡り歩いた色々な世界から得た感覚を大切に、現在は村の山奥のキャンプ場を拠点に、地域の森を活かし、仕事づくりを始める。

一どんな活動をしていますか?

「森を活かしてシゴトを創る」を合言葉に、中川村の森を活かした仕事づくりをしています。日本は国土の7割が森林だけど、ここも村の半分以上が山林なんです。具体的には、村有の四徳温泉キャンプ場の運営を中心に、陣馬形山の登山道の整備、周辺の村有林の整備や、ここをフィールドにしたアクティビティづくりをしています。まわりは半径5キロ、森しかありません。一緒に働く仲間は4~5人いて、今は間伐材を使ってキャンプ場のコテージや家具をつくったり、ジビエや森で採れる植物を使って何かできないかと、それぞれに日々試行錯誤しています。僕自身も山岳ガイドの資格をもっていて、ここ数年は徐々に中川村をフィールドにしたツアーを増やしてきましたが、いまは、仲間がいきいきと働ける事業づくり、場つくりの方に力を注いでいるかんじかな。キャンプ場の事業でだんだんと収益性がでてきて、森の活用の方にだんだんと時間と資金をかけるようにしています。

一はじめたきっかけはなんですか?

みな「森とのつながりを取り戻したい」という気持ちが共通してあるとおもいます。 僕自身のことを話すと出身はここ伊那谷で、29歳のときUターンしました。前はアフリカの途上国での支援や経済発展に関わる仕事をしていました。途上国で起こる色んな問題は、根本的には先進国のためやグローバル企業の資源獲得や経済競争から生じていることを痛感して。これからはむしろ地域単位で色んなことを自給できる生活モデルを構築していくほうが、世界中で希望がもてるだろうなと。 それで3.11もきっかけになり、地元に帰って何かやってみようかと会社を辞め、同時に結婚もして、古い家を借りて、中川村に住み始めました。薪風呂、薪ストーブのある生活。燃料の木は、もらったり拾ったり。くらしのエネルギーは身近にあるものだと実感しました。 はじめの3年くらいは村外で、林業、野外教育、山岳観光などの現場で働かせてもらっていたら、「村のキャンプ場の運営をやらないか」と声がかかり、せっかくならと役場の課長に想いをはなしたら、まあいいでしょうと。移住してくる若者たちを活かそうとしてくれる、本当にありがたい村です。

  • キャンプサイトの間を流れる川には、キャンプ場を手入れした際に倒した木で作った橋を。 一つ一つ、遊び心を大切にした手仕事で作られる。

  • 夜の楽しみ、キャンプサイトのたき火に使う薪も周りの森から。

一一番大切にしていることはなんですか?

わくわく感と、コミュニケーション。すべてのエネルギーの源泉は、やっぱり心だとおもうから。想いがあることが大事。それを「種」にして事業が生まれてくる。それを「育てる」のは、簡単ではないけど、お互いに支えあっていく仲間の輪が一番大切だと実感しました。自分自身も日々修行中ですが、ここに集まってくれるみんなのわくわくが連鎖して、森を拠り所にした、森のように多様性のあるコミュニティがだんだんと育っていったらいいなと思っています。

一今後の目標を教えてください

まずは、気持ち良く働きつづけること。自分と仲間が、ここで働くことで、幸せであることですね。仲間とは「自分たちの理想の職場を、自分で作ろう」と話しています。 それには、やりたいことと収入のバランス。家庭と仕事とのバランス。30代も半ばにさしかかり、ようやくそういうものがわかってきたかも笑。まずはキャンプ場事業をばっちり軌道に乗せて、モノづくりや、体験などの事業ができる余裕をつくりたいですね。村の人たちや、訪れる人たちが、森に一歩踏み込んで、深い体験ができるように。最終的には、自分がいなくなる頃、50年後の村の人たちが、いい森があってよかったな、とおもってくれるようになったらありがたいです。

アピールポイント

とりあえず、毎日がすごく気持ちいい!さっきからこればっかですが笑。四徳の森は、日当たりも良く、とても気持ちがよいところなんです。昼休みはウッドデッキや森で、春の太陽を浴びて休憩、キャンプ場内にある温泉は450年前からの湯治湯で泉質がすごくいいんです。なんて最高なところで働いてるんだろうと思っています。 ーー以下施設情報ーー 2017年よりキャンプサイト、コテージ、キャビンの料金をレギュラーシーズン、ミドルシーズン、ハイシーズンの3段階に分ける 価格変動制を導入させていただくことになりました。 空き状況の確認、ご予約はお電話もしくはHP内からお願いいたします。 ーー温泉営業についてーー 入浴料:一般 ¥600 小学生以下 ¥400 (3歳以下無料) (伊那谷にお住まいの方:一般 ¥400 小学生以下 ¥200) 営業期間:3/18~12/3 営業日:毎週土曜日と連休(7月中~8月中は毎日営業) 受付時間:14:00~18:30 ※シャンプー、リンス、ボディソープの持込不可。備付け品をご利用下さい。 ーーアクセスーー 〒399-3804 長野県上伊那郡中川村四徳542 tel→0265-88-3929 HP→http://shitoku.net/ facebook→四徳温泉キャンプ場

-コーディネーター紹介-

中川村のアイコン、圧倒的な展望の陣馬形山から続く森の中のキャンプ場。 細い山道、心配になってしまうような道のりではありますが、近年口コミでじわじわお客様が集まっているエリアでもあります。 そんなエリアを盛り上げる、遊びと学びのキャンプ場。 これからの発展がとても楽しみです! 個人的には何よりも、温泉の泉質がおすすめです。ぬるぬると肌に絡む、美人の湯に是非入りに来てください!

ID157 長野県上伊那郡中川村

たかはし しおり

髙橋 詩織

1988年1月6日生まれ。関東で大学生活の後、長野に戻ってアルプス暮らし。 冬は北アルプスで雪まみれ。夏は南アルプスで山小屋生活。その後2016年6月より地元、松川町のお隣村である中川村で地域おこし協力隊として活動中。 野山の食べ物に興味津々。健康的で機能的なおやつ(行動食)作りの研究中。 「おいしく、楽しく。山で暮らすスキルを身につける。」をモットーに、村で獲れた鹿や猪の解体・販売をしています。