IT技術を活用した生産性の向上をめざして

鹿児島県薩摩川内市

ひがしかわうち なおふみ

東川内 尚文

つくばの食品総合研究所に入所し農作物のトレーサビリティシステムに携わる。その後IT会社にてエンジニア、建築の営業とし勤務する。その後、税理士事務所を経て、8割の会社は赤字という経営の実態を知る。経営コンサルとして独立し、薩摩川内市産業支援センターに勤務。

一どんな活動をされていますか?

企業連携協議会として、地域の企業のお互いのノウハウの共有や流通コストの削減を目指したり、情報共有をしたりしています。定着率をあげるにはどうしたら良いか、工場系の製造現場をどうしたら生産性があがるかなどを検討したり、販売促進のために企業のPRをしたり、ICT部会を立ち上げIT化を推進したりしています。また、スマコミライトという独立電源型の街灯を開発販売もしています。スマコミライトは温度、湿度、風向、風速、気圧を測定できて、カメラもついています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

賃金が上がらず生産性が低いことですね。生産性をあげる事に対して取り組んでいない会社がほとんどです。というのも、ITが分からないから課題から目を背けてしまうんです。他でも社長自体がプレーヤーとして働いている会社がほとんどで、戦略性を持つ会社が少ないです。業務効率化を進めるにもIT技術者がいないので業者と話ができません。鹿児島の賃金が東京と比べて低すぎるために、人材も集まりません。結果として生産性があがらないです。また、経営者や中堅管理者も含めた経営的、技術的な教育を段階的に行うシステムが出来ていないです。セミナーを開催していますが、教育を受けてくれる人は少ないです、教育に行くという発想が無いです。教育で儲からないと思っています。1人抜けると仕事が回らないため、目先の仕事をこなす事に集中してしまうのが現実です。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

IT技術者がいると、業者と話ができて社内の業務効率化を常にできると思います。また、知識の向上やITの活用によって生産性がつながれば賃金の増加につながります。スマコミライトを使って、コンピュータからデータを見たり、一定の温度を超えたらアラームを鳴らしたりできます。各地の天気の様子を見たり、学校のプログラミング教育にも使えると思っています。
また、データが集まったらオープンデータ化すれば価値が高まります。

一今後の目標はなんですか?

スマコミライトを薩摩川内市の小学校中学校に売って、モデルケースにしたいです。

アピールポイント

インタビュー中に東川内さんはスマコミライトの事に関して、熱く語ってくれました。インタビュー終了後にスマコミライトの実物を見せていただきました。雨量や風向、風速などすでに測定できる様子を見て、薩摩川内発のIoTデバイスの可能性を感じました。

-コーディネーター紹介-

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株式会社VSN 地方創生VIメンバー

株式会社VSNのメンバーが、「地方創生VI」という全国の自治体の課題解決を目指すプログラムで、現地で活躍するキーマンの方々を取材しました。