この道一筋、真壁のべっ甲職人

真壁

かりべ ひろし

刈部 博

17歳でべっ甲細工の職人を志す 平成26年 東京都伝統工芸士に認定 平成30年 茨城県伝統工芸士に認定

一どんな活動をしていますか?

17歳の頃からべっ甲細工の職人をしています。

ウミガメの一種であるタイマイの甲羅・爪・お腹を素材にして、熱と水によって細工をしたものを、べっ甲細工と言います。

日本では、べっ甲細工で眼鏡やアクセサリーなどを作っていますが、私は髪飾りやかんざしなどの和装に関わる品物を中心に作っています。

一はじめたきっかけはなんですか?

元々父親が腕の良いべっ甲細工の職人で、兄もその仕事を継いでいました。

私も17歳の頃から父の仕事をよく見て勉強し、べっ甲細工職人の道を志すようになりました。

父はあまり仕事を教えてくれなかったので、見たものを自分で試行錯誤しながら作っていました。

  • これはお香に使う道具。60代の頃に3年間かけて作った作品。

  • これがべっ甲細工の素材となるもの。奥が亀の甲羅部分で、右手前がお腹、左側が爪の部分。それぞれの部位によって発色や色合いが異なるので、これらを組み合わせて作品を作っていきます。

一一番大切にしていることはなんですか?

私はべっ甲のみではなく、彫りと漆の技術も独学で勉強したので、蒔絵などこれらの技術を組み合わせた作品を作っています。

一今後の目標を教えてください

もうすぐ80歳になるので、これから作れる作品数も限られています。

今考えているのは箱物を2つは作ろうと考えています。

螺鈿に使用する1ミリにも満たない小さな貝殻を持つために爪を伸ばしています。

ピンセットでも持つ事ができない、細かい仕事に取り組んでいます。

-コーディネーター紹介-

17歳のころからべっ甲細工職人一筋の刈部さん。
年を重ねた現在でも新たな技法に取り組む姿勢がとてもかっこ良かったです。

D: 桜川市

はぎわら りく

萩原陸

2019年3月に武蔵野美術大学を卒業。
4月から桜川市の地域おこし協力隊として移住。