命のための農業 雑草も食材に!

益田市

わたなべ いくこ

渡邊 育子

益田市で生まれ育つ。結婚を機に北仙道地区へ。以前は土木関係の仕事をしていたが2001年から赤雁の里をオープンする。農家レストランとして自家栽培している野菜を使った料理を提供している。

一どんな活動をしていますか?

地元の米や野菜を使った料理を提供する農家レストランをやっています。これは予約制にしています。あとは加工品を作って市内に販売もしてます。それはお米と小豆を使った昔の手作りのあんもちだったり、おはぎだったり、桜餅だったり、柏餅やお団子も作っています。またここの集落の田んぼとや畑で農業体験、田舎体験ができるようになっているのでそれもやっていますね。個人では今はこの赤雁の里を切り盛りすることと、いわゆる自治組織といえる北仙道の活動に参加しています。またJAの女性部や給食の委員などいろんなところからお呼びがかかって色々やってます。

一はじめたきっかけはなんですか?

人を呼んでね、この集落が元気出してもらえる方法ないかなあって思って。金の延べ棒配られたのみんな知ってる?竹下登さんっていう島根県出身の総理大臣がいらっしゃったころにあったんよ。あの頃は村おこしブームだったから。それにここもちょうど乗っかってなにか集落の話し合いが始まったころに私たちもできることがあればなあって。せっかく国がお金出してくれるって言うんだからうまく使って、ここの集落を乗り切ろうと思って、ほんでこれ作っちゃった。
メニューの中にはこの畑や田んぼで採れたものだけじゃなくて山のものとか道端のものとかおいしい雑草まで出してるよ。こういう農家レストランをずっとしたかったの。

一一番大切にしていることはなんですか?

もうけようとせんことかな。利益出そうと思ってそんな利益出せるもんじゃないしね。ここで働いてくれるみんなには今日の売り上げの20%を分けるっていう感じで、会社としては赤字にはならないけど、ここで働いてくれている人はみんな株主さん。この施設作った人たちが集まってやってる。仕事を持ってる人が余暇でここを手伝ってくれたり、引退した人が手伝ってくれたりしてて、社会貢献してるんと一緒よ。だから続けられたんだと思うよ。
それから、一生懸命すること。完璧じゃなくてもできる限りのことをする。目標があったらここまで到達せんと気に入らんというタイプではない。一生懸命すると相手は分かってくれる。

一今後の目標を教えてください

もう継続しかないね。長くやってて毎年来てくれている人もいる。川崎の子供たちがずっときててその中で4年間ずっと来てた男の子もおったよ。来てくれたら「よう来てくれたねえ」ってなる。来てくれた子供たちには自分の命を作っている農業を大事なものだと思う気持ちを持ってもらいたいな。

編集後記

2018.12.02 中野 美優(なかの みゅう)19歳
インタビューをしていると、はじめは堅かった渡邊さんの口調が柔らかくなり、方言も出てきて、自分のしていることをいきいきと楽しそうに話をしてくださる姿を見てインタビューをしている私まで楽しくなった。お話を聞く前に渡邊さんのおいしいご飯を食べさせていただいた。お話を聞くことによって渡邊さんのご飯をもう一度食べたいと思う気持ちが強まり、味だけでなく作り手のこだわりなどのストーリーが料理の価値を高めることに改めて気づいた。帰るときに手を振ってくれる渡邊さんの姿を見て、また来たいと思った。渡邊さんは北仙道地区を好きにさせるプロだ。

-コーディネーター紹介-

島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター