入りんちゃい、また来んちゃい

益田市

ふじわら ときえ   ・   くぼ ひさみ

藤原 登紀枝・久保 久三

***藤原登紀枝さん(写真左)*益田市出身。看護師の資格をもち、市役所で健康づくりの仕事に従事していた。その後、趣味のパン作りやお菓子作りを活かした夢に挑戦したいと思い、専門学校に1年間通う。現在はJR石見津田駅構内に「パンカフェはぁと」を営む。 ***久保久三さん(写真右)*益田市出身。栄養師の資格をもち、市役所で健康づくりの仕事に従事していた。早期退職をして、藤原さんと共に文化祭やバザーで商品の製造販売を始める。現在は「パンカフェはぁと」を営む。

一どんな活動をしていますか?

2018年の4月からパン屋とカフェを営んでいます。パンの製造、販売と接客、3人で行っています。製造は6時頃から始めます。この時間の空気は新鮮ですよ。幸せを感じます。朝早くに配達などがある時は、朝3時から準備を始める時もありますね。お店は11時から開店し、パンが売切れたら店を閉じます。お客さんは主に市内からいらっしゃって、一日にだいたい30~40人ほど来られます。一日に3回来てくれる人もいますよ。パンは一日、250~300食ほど作ります。特にハートの形をした「ハートパン」が自信作で、甘いシュガーが上にかかった人気のパンです。
ちなみに、店名である「H♡T(はぁと)」はハッピー、ヘルス、ハーモニーのH、タイム、タウンのTを掛け合わせ、「ハピネスタウン」という意味なんですよ。

一はじめたきっかけはなんですか?

パン屋やカフェをいつかはやってみたいと思っていました。おいしい食べ物のあるところに人も集まると思います。売るものは何にしてもおいしい食べ物を提供したい!とずっと思っていたんです。当時市役所で安田地区を担当していた私の想いを知った安田地域づくり協議会の方々が「やってみたらどうか」と勧めてくれました。丁度、協議会が無人駅であったJR石見津田駅をどうにかしたいとお考えだったんですよ。国の補助金で地元の工務店の方が改築してくださって、2.3か月くらいでできました。そして2018年の4月にオープンしました。

一一番大切にしていることはなんですか?

「安心、安全」ですね。なるべく地元産の食材を使いたいし、賞味期限は当日中がいい。なぜなら保存料など入れなくていいものは入れたくないですね。パンをやわらかくする添加物や香料などもなるべく入れないです。「おいしいね」って言われるものを作り続けたいですね。
この前はバザーで農家の方からさつまいもを購入して、紫の芋パンを作ったりもしました。農家の方も「宣伝してね」って言ってましたね。普段から「このパンには安田の干し柿が入ってるよ」などとお客さんにお話しするようにしています。

一今後の目標を教えてください

「食べるものを通して、人と人がつながる仕事をすること」が最終目標です。市役所に勤めていた頃に地域の人々の健康づくりを行い、人と人とのつながりを感じていました。個人単位でも、人のつながりがいいよねって二人とも思っています。パンを売るだけではないんです。ただ作って売って利益を得るだけではなく、私たちは人とのつながりを大切にしています。パンは沢山じゃなくていいんです。それを通して人と関わるし、今まで仕事で関わった人たちをつなげていけたらいいです。子どもから高齢者まで多くの人に来てほしいです。お茶とかコーヒーを飲みながら身体のことや子育てのことを話す、そんな場所にしていきたいです。大きい目標ですが、ちょっとでもそうなればいいな、と思っています。

編集後記

2018.12.02 髙見堂 亜美(たかみどう あみ)22歳
通学途中、満員電車に揺られてふと考えることがある。「世の中にはお金を稼ごうとするあまり、人を傷つけてしまう人がいる。」あれ?働くってなんだっけ?何のため?
取材日の翌日にパンカフェはぁとに行くと、お客さんの目線にあわせてしゃがんで話す藤原さんのお姿があった。「あれー、最近どうしてたんー?」会話は弾む。
そこで気付く。「あ、今自分の目の前にいるひとのためだ。」
都会の暮らしに疑問を覚えたら、益田市の働き人を訪ねてほしい。

-コーディネーター紹介-

島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター