一どんな活動をしていますか?
矢祭町小学校で養護教諭として働いています。小学校時代には、学校が大好きで担任の先生にも恵まれていた事もあり、小学校の先生になる事に憧れていました。中学校時代は吹奏楽をやっていたので楽器などを教える顧問とかにも憧れていました。高校3年生の頃に、「時には厳しく立ち振る舞わなければならない教師よりも保健の先生の方が向いてそうだね」と親友に勧められた事がキッカケで「養護教諭」について調べるようになりました。
調べてみると興味のあった心理学や医学的な事も学べる事を知り、また自分の性格や得意・不得意なことを考えた時に自分に合っている仕事だと感じて目指すようになりました。
一今やっていることについての課題はなんですか?
矢祭町は複数の小学校が統合して1つの小学校となり、こども園、中学校と共に町に1つずつとなります。また、教育に対する支援・制度なども手厚く、とても大切な存在となっています。自分自身は1学年5クラスあるような大規模な学校で育って来たので「地域のつながり」「各学年のつながり」と言うのを感じることが少なかったですが、矢祭町は小中学校と同じ時間を過ごす事ができるため「つながりや相互理解」を深めることができる地域だと思います。
一方で町外とのつながりは少ないと思います。中学を卒業すると町外の高校に進学する事になりますが、同学年内におけるつながりが急激に広がるため、これまでの環境とギャップを感じる子ども達も少なくないと思います。
それが子ども達にとって課題と言えるかもしれません。養護教諭という側面では、基本的に学校に1人しかいないため、相談先が少ない事があげられると思います。養護教諭は、全校の心と身体の健康を守っていく事が役割となりますが、健康診断の計画・運営・結果の整理やケガをした子どもの手当て、体調不良の子どもの応対、悩み相談など業務内容は多岐に渡ります。
一部マニュアル等も整備されていますが、子ども一人ひとりに適した応対が求められるため経験を積んでいく他ありません。また、学校によっては総務事務に多くの時間が割かれ養護教諭の負荷量が高くなっている実状もあります。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
やっぱり、先に述べたことと同じになりますが「地域のつながり」を深めることができる地域ですね。「ゆずのシャーベット」など地域の方が作った農産物が給食に使われたり、コロナ禍対策のための消毒作業も町の社会福祉協議会経由で、やまゆりの会の方々がボランティアで手伝ってくれたりしています。
このような強みを活かしつつ、町外とのつながりについてICTを使って解決できると良いと思います。また、養護教諭としては子ども一人ひとりに適した応対を行うため、十分な時間を確保できる必要があると感じています。ICTを活用して、多くの時間が割かれている事務作業を効率化する事で本来の主務に多くの時間を費やせることを期待しています。
一今後の目標を教えてください
子ども達とできるだけたくさんの時間を過ごし、関わっていき、子どもが安心して、健康で生きていけるように努めていきたいと思っています。子どもとの関わりはデジタル的なものではなく、人と人との直接的な関係に基づくものであるため、それ以外の部分でデジタル化が進み、養護教諭として取り組むべき内容に時間を費やしていければと思っています。
編集後記
子どもに対する熱い想いと内面の優しさが滲み出ている団野さん。多くの業務を受け持つ中で子ども達との時間を一番大切にしていて、事務作業などは基本的に子ども達が帰宅した後に対応している。「子ども達とできるだけたくさんの時間を過ごし、関わっていき、子どもが安心して、健康で生きていけるようにしたい」と言うエピソードからも「子ども達の心と身体の健康を守る」という強い想いが伝わってきました。学校に1人しかいない、代わりの効かない存在の団野さん。多岐に渡る業務で大変な日々を送っていると思いますが、体調に気を付けて「矢祭町の子ども達の心と身体の健康」を守り、「矢祭町の未来の教育」につなげていって頂きたい。