子どもたちの未来のために、頑張る大人たち

長野県天龍村

かない たかし / こまい はなこ

金井 健 / 駒井 花子

金井健さん(右)30年弱の教員生活に踏み込んだきっかけは、中学生時代の恩師。尊敬できる恩師のような教員になろうと決意し、実現した。2019年に天龍村小学校の教頭に就任。赴任直後のイメージは「大自然」と「素朴」。
駒井花子さん(左)現在大学院生。追究の場の一つとして天龍村小学校に関わっている。大学時代に1年休学して天龍村地域おこし協力隊に参加。天龍村と関わり始めたきっかけは、旅行で訪れた際の居心地がとても良く、離れがたいほどに「ひとめぼれ」してしまったこと。

一どんな活動をしていますか?

地域の宝である小学生の教育にあたっています。児童生徒が少ないこともあり、目の行き届きやすい環境を生かした支援をしています。上級生が下級生の世話をよくしてくれていますし、縦横密接なコミュニティを形成しています。保護者の方々が役場の職員だったり、消防団長だったり、諸活動の際にも密接な関係でイベントを実施できるので助かっています。地域全体で小学校を作っているイメージです。

一今やっていることについての課題はなんですか?

活動に大人の手が入りやすく、児童生徒が自主的に何かに取り組む姿勢や、その結果の経験を積むといった機会を逸しているかもしれません。自ら挑戦しての挫折や成功体験から何かを学び取るチャンスが不足しがちになるので、大人が手をかけすぎることで、子供の主体性を損なわないよう、気を付けなければならないと感じています。まずは、体験や考え方を広げられるように意識して教育活動を進めていくことです。あとは、校舎の大きさに対して児童生徒が少ないのでお掃除が大変です(笑)。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

教育のデジタル化に取り組んでおり、GIGAスクール構想による1人1台のタブレット配布は村教委と連携して進めております。この環境を使って、児童生徒に不足しがちな、外部からの刺激を有効に取り入れていきたいですね。近隣の小学校同士、リモートによるタブレットを利用した交流授業などに取り組んでいますが、これからもよりよい活用を模索していきたいです。ITを利用して世界とつながり、良い刺激を与えたいですね。

一今後の目標を教えてください

「多様につながることのよさを感じ合える世界」ができればいいなと考えています。多様な人たちと交流していくことで、多様な価値観にふれ、考え方・生き方の選択肢を増やし、自分の信念の形成につなげていって欲しい。また、村との関連性を容易に維持できるIT技術を学び、村を大切に思う自分のあり方や自分の幸せな生き方を子どもたちが追求できるように支援していきたいです。

編集後記

週末に文化祭を控えた忙しい時期にインタビューにご対応いただき、ありがとうございます。天龍村の小学生に、広い世界を体験させたいという気持ちがおふたりからしっかり伝わってきました。インタビュー後は、ITの技術について意見交換や通信ソフトの仕様確認など、「せっかくITエンジニアが来たから、聞きたいことみんな聞いちゃおう」スタイルでお話ができて楽しかったです。今後も私は遠隔ITアドバイザー(お試し)として関係を継続していきます。一緒に天龍村の子どもの未来を明るくしていきましょう。

-コーディネーター紹介-

ID 長野県天龍村

いしかわ だい

石川 大

東京、日暮里生まれ
大学卒業後、海外旅行代理店に就職し、7年間企画手配から添乗員、システム管理者を担当。その後ITエンジニアに転職し、15年間インフラ基盤系エンジニアとして数々の複合システム設計と実装やテクニカルエバンジェリストを担当。2018年4月VSNに入社、技術講師として後進の育成に励んでいる。