一どんな活動をしていますか?
ホームページの作成やWeb関係のコンサルを主にしています。最近は特にコロナの影響もあって、HPを作りたいなどの依頼は増えました。もともと地域おこし協力隊の活動をしていたので、その時の人脈が活きています。周りのIT関係の仕事をしている人も忙しそうに感じます。
また、子どもたち向けにボランティアで「CoderDojo淡路島」というプログラミング教室もやっています。取組に賛同してくれる4・5人のスタッフとともに実施しています。2020年はコロナの影響もあったのでなかなか開催できませんでした。オンラインでの開催もしましたが、オンラインでつなぐということにあまりなじみが無かったので、苦労しました。10月には久しぶりに通常開催もしましたが、今後はコロナの状況もみて判断をしていきたいと思っています。
プログラミング授業は現在南あわじ市で学童保育の時間を使って行っているものもあります。
一今やっていることについての課題はなんですか?
地域の企業にホームページの作成をお手伝いする中で、セキュリティ事故が起こっていたというような事例もありました。そのためホームページだけに限らず、社内インフラも見るようになった企業もあります。コロナの影響もありICTが急に必要になった企業も多いと思いますが、正しくICTを利用してもらうためにも、セキュリティの面も考える必要があると感じており、今後はセミナーなども行いたいと考えています。もともと教育機関のシステム管理者をしていたので、その経験が役に立っています。
また、地域にICTを使って少しでも利便性を感じてもらおうと活動しているのですが、必要性は感じつつも、現状維持で十分という意識もまだまだ強く、「草刈りなど自動化・IT化しませんか?」と説明をしても、「今できているから」と断られることが多いです。IT化の提案をしても、「誰がやるの?」ということになり、先に進まないことがあります。新しいものを導入するという大変さはどこにでもある問題だと思いますが、地方となるとその傾向がより顕著なのかなと感じます。ただ、後継者不足や耕作放棄地が拡大していくといった問題はICTをうまく利活用すれば解決できるものもあると思いますので、根気よく活動を続けていきます。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
まずはICTというものが実際にどのようなものかを具体的に見てもらうことや、体感してもらうことが大切だと考えています。ただ、自分でまだ作り出すということまで出来ていないので、まずはそこからだと思っています。
今特に困っていないことに対して、どれだけ便利になるかを語っても納得はしてもらえません。例えば、私の家の裏に広い土地がありますが、今自分で困っている草刈りを自動化していくなど、目に見える形でIT化を進めていければと思っています。
一今後の目標を教えてください
私はもともと洲本出身ではなく、移住をしてきました。教育機関でシステム管理者をしていたので、手に職を持ち、働き口を作った状態で移住しようと思って準備をしていました。ちょうど移住のタイミングで地域おこし協力隊の募集があるということを聞き、地域おこし協力隊の活動をスタートさせました。
地域おこし協力隊になれば人脈が広がります。自分で一から仕事を広げるよりも、隊員として人脈を増やしてからの方が、可能性が広がると思いました。隊員を卒業した現在では、3年前の隊員着任時に思い描いていた通りになっています。他の隊員もビジョンを持っている人は卒業後の定住率が高いと思います。地域おこし協力隊は、卒業後に自分がやりたい事を実現する為のツールであり手段だと思っています。市役所のミッションや、地域の困っていることをくっつけていって、活動を自走させていくための準備期間です。僕の隊員としてのミッションは移住者支援でした。一方で自分の卒業後のビジョンはITで仕事を作りたいという、一見して違うように見える内容でしたが、どうすれば隊員のミッションとかけあわせて自分の目標を達成できるかということを、市役所の担当の方が一緒になって考えてくれたことが非常に大きかったです。
ありがたいことに地域おこし協力隊の活動を通じて、人脈も広がり、お客さんになってくれるような方もいます。現在の活動拠点の洲本市はもちろん、淡路市・南あわじ市からも依頼があるので、現在は淡路島全域で活動を行っています。ホームページ関係の仕事から入って、社内のITインフラやセキュリティなどまで一貫して、企業インフラを整備するなどできると良いですね。ICTを使って淡路島を盛り上げていけたらと思っています。
また、現在改修を進めている拠点は、オープンスペース(コワーキングスペース)として使えるようにしていく予定です。現在開催しているCoderDojo淡路島の会場としても利用していくのですが、子どもたちがいろんな考え方に触れながら、自分がやりたいことを実現する力を身につける場所になれたらと思っています。淡路島でも最先端の技術に触れられる場所、プロフェッショナルの仕事を体感できる場所となれることを目指しています。
そのためにも「地域をいかに巻き込めるか」を考えて、広がりを意識していきたいですね。
編集後記
洲本市の地域おこし協力隊の活動を経て、ITを仕事にしている藤崎さん。「手に職をつける」という言葉は私が講師時代に良く聞きましたが、まさに手に職を実現している方です。同じような仕事をしている身からすると、尊敬の念しかありません。取組当初から市役所の方にも頼られ、ITを語る上では、市にはなくてはならない方なのだと感じています。