家族のような雰囲気の天龍村の隠れ宿の女将

長野県天龍村

くまがい みさこ

熊谷 美沙子

天龍村にて生まれ育つ。2000年に山の宿加満屋を開業し、ご夫婦で現在も経営している。村議会議員であり、村で学童保育を始めた第一人者でもある、教育に関しても知識が深い方。旦那さんは森林組合で林業に従事されている。

一どんな活動をしていますか?

1日1組限定で山の宿加満屋を夫婦で経営しています。民宿を始めようと準備を進めていた時には、消防法や建築基準法など解決しなければいけない問題があり、飲食店にしようかとも悩みましたが、お客様を迎えたくて準備を進め、開業する事が出来ました。

天龍村には、おきよめの湯という温泉が好きで通っていて村の方々と仲良くなり、いろいろお手伝いをするようになりました。そして、常連の方と愛好会を作って秋と春に山菜やイノシシ鍋サミットを10年ぐらい開催していました。観光協議会が出来たので私の活動は終わりにしました。

一今やっていることについての課題はなんですか?

学童をやってきて子ども達と接する中で子ども達自身や教育の移り変わりに危機感を感じています。子ども達は時代とともに自分で頑張ろうとする気持ちが弱くなっている気がしています。10年前の子どもたちは嫌だと言いながらもやり始めたら完璧を求めてやっていましたが、最近はやらないと言ったらやらない子どもが増えてきた感じがします。

教育の質と言う観点では、学校の先生たちも天龍村に赴任される先生方も若い方が多く、子どもの叱り方もわからない先生が多い印象ですね。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

教育のデジタル化は進めて行きたいですね。天龍村の先生だけでなく外部の先生にも担当してもらえるような仕組みを取り入れたいです。子ども達も嫌いな先生の授業はあまり聞かないですよね?でもわかりやすく面白い先生だと楽しく授業を受けると思うんですよ。

これまで隣町でやっていた会合もコロナ禍で開催時間を短くすることになり、オンラインでやってみようとなってZoomを使って開催を試みたところ、移動時間も無くなるしいいねとなりました。これって教育にも使えると思うんですよね。オンラインを活用すれば子どもたちが好きな先生の授業を受けられるようになり、教育の質も上がってくると思います。

一今後の目標を教えてください

旅館は娘が継いでくれる予定で、今調理の勉強中です。娘ともいろいろ話をしていますが、田舎でのオーベルジュやパン屋・お菓子・カフェ・赤ちょうちんなどやりたいことがたくさんあります。

やってみたい事で言うと里親のファミリーホームをやりたいと思っています。児童養護施設では高校生になると自立していく事になるので、働ける場を作って長く支援してあげられたらと思っています。

また、協力隊の方々が村に来てくれていますが、新しい人だけなくUターンで村に帰ってくる人も増やして行きたいです。村に帰って来ても仕事が無いと思っている世代の方々もいますが、自分で仕事を作って村に帰ってこようと思う子どもたちを育てていきたいですね!

編集後記

雰囲気ある民宿の女将さんで気さくな方でした。宿を始めた時の苦労話や学童をやっていた時の子ども達への想いが使わってきました。宿を見学させて頂きましたが、趣のあるお風呂やくつろげる空間が広がっていました。1組限定なのでお客様との交流も深くなっていくのでしょうね。友達同士で来ていた子が彼女を連れてきて、そして結婚や子どもが生まれた時に泊まりに来てると言う話をお聞きして、人生のターニングポイントで行きたくなるような隠れ宿なんだなと思いました。

-コーディネーター紹介-

ID 栃木県矢板市・長野県天龍村

なかざと こうすけ

中里 幸介

大学卒業後の2004年にVSNに入社。エレクトロニクスエンジニアとして車関係の開発業務を担当。2018年4月よりテクノロジー活用を促進する部署へ移動して市場調査から社会活用の検討、社内向けの研修を担当しお客様への導入推進も活動中。