笑顔で桑名を活性化「やってみよう!」

三重県桑名市

すずき たかし

鈴木 貴士

専門学校卒業後、大工さんのもと修業し、30歳で独立。その5年後、株式会社 大貴を設立する。仲間のサポートもあり受注拡大。31歳のとき転機を迎える。縁あって桑名市商店連合会青年部の誘いで部長に就任。桑名内ネットワークが広がり、深まる。本業の傍ら、活動のフィールドが広がりPTA会長や市議会議員の後援会長、商工会議所青年部副会長、桑名市商店連合会部長、観光協会青年部副部長などの要職を歴任。

一どんな活動をされていますか?

独立して10年が経ちます。本業である工務店の経営はもちろんですが、今注力しているのは、商工会議所青年部(はまぐり会)と観光協会青年部の二つの活動です。
はまぐり会の活動は地域活性のためのイベントの企画などが多いです。毎年開催の秋祭り、
会員同士の交流事業、他の団体との交流事業、会員の見聞を深めるための研修事業などです。特に今は、はまぐり会の交流委員会担当副委員長という役割も担っており、新型コロナウィルスの影響でオンライン中心になったイベントを何とか安全な形でオフライン開催し、会員の交流活動を再活性するために取り組んでいます。これからもはまぐり会の活動を通じて地域活性に貢献し、勉強していきたいです。

一今やっていることについての課題はなんですか?

国連が提唱する持続可能な開発目標SDGsなど世の中のスタンダードが変わってきたことを強く感じています。このような潮流の中で、桑名市の経営者たちと、はまぐり会の今後のあるべき姿が何なのか、この先行きが不透明で、将来の予測が困難な状況の中でアフターコロナをどう戦っていくか?仲間たちと議論し模索している今日この頃です。
日本一やかましい祭りで有名な石取祭を、夏休みの一番の楽しみとして育った桑名人だったら多くの方が共感してくれると思いますが、子供のころから祭りを通じて仲間とのつながりや世代を超えたつながりやチームワークを大切にし、それを代々先輩から教わってきています。はまぐり会では新しいチャレンジをしたい方がいれば、それを私たちがサポートできるため、青年部などの仲間に入ることをお勧めしています。はまぐり会も新しいメンバーを仲間にいれることで新しいアイデアや考え方を積極的に取り入れていきたいので、会員募集のための広報活動には力を入れています。仲間を受け入れ、挑戦したい人を引き上げてサポートできる自分たちでありたいという話はいつもしています。
私の事業の課題としてはウッドショックの影響による材料の高騰化や納品遅れなどがありますし、桑名の重要な産業の一つである鋳物工業の関連では材料高騰や、中国などの台頭による競争の激化などの課題がありますが、はまぐり会を通じて仲間がこうした課題に取り組んでいる情報を得て、他業種の話にも耳を傾け、自分のことだけに固執しないように心がけています。これも会に所属することの大きなメリットだと思います。たとえば個人営業の飲食店の経営者の方などは個人だけでは得られる情報が限られると思います。桑名で長年培われてきた仲間の輪を広げて、課題解決のために一緒に考えていける環境を整えていきたいと考えています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

先に述べたとおり、将来のあるべき姿についてはもみ合いながら考えている状況で、明確な答えを持てているわけではありませんが、とても心強いのは、はまぐり会の会員は未来に向けて真剣に考えている人が多いということです。そんな仲間と助け合って人材を活性化することで、地域も活性化できると信じています。ITやデジタルの知見を持った専門家の方がはまぐり会と関わり合いを持つことはまさしく新しいアイデアを取り入れることになりますし、まだ具体的なイメージまではできませんがこの不確実性の高い状況の中で未来に向けて地域の活性化を実現していくためのゲームチェンジャーになるかもしれません。

一今後の目標はなんですか?

今年で私は41歳です。はまぐり会の定年は45歳なので、卒業まではあと4年あります。
20代で苦労したことや学んだことを次の10年の30代で活かす、30代で学んだことをきちんと40代で活かすということを自己成長のための信条としており、私の場合は幸運にも30代のときに多くの方のサポートがあり引き上げていただいたため、充実した40代のスタートを切ることができました。これからはまぐり会の卒業までの4年間、恩返しとして桑名の若い人材の育成や、先輩である高齢労働者が働きやすい環境整備などに熱意を持って取り組み、50代に向かってチャレンジしていきたいです。

また本業でも、はまぐり会の活動でも「やってみよう」をスローガンにしています。新しいことに挑戦することの大切さやおもしろさを他の自営業者や周囲の人たちに伝えていきたいです。仕事では現場にはいつも笑顔で行くように心がけています。家やお店などの建物は人が作るものなので、笑顔で作ることがよいものづくりにつながるのではないかと信じているからです。

編集後記

「やってみよう」というスローガンは鈴木社長のオフィスの壁に掛けられていました。常に言行一致していることはリーダーの必須条件と言われていますが、鈴木社長のチャレンジへの「やってみよう」熱量は笑顔とともに東京からノートパソコンの画面越しにインタビューをしている私にも伝わってきました。これまでの事業やはまぐり会でのご活動のお話の中で多くの方に支えられてきたと謙遜しておっしゃっておられましたが、多くの方が”この人ならついていける”と感じたのではないかと思います。
桑名市出身で、今パートナーとして誰ひとり取り残さない桑名のデジタルファースト宣言を市と一体となり推進する筆者ですが、鈴木社長のような若いパッションあふれるリーダーと一緒に新しい桑名を協創していくことができたらとても心強いです。

-コーディネーター紹介-

ID 三重県桑名市

おおまえ たけし

大前 岳志

大前 岳志(おおまえ たけし)(45歳)
‘76年、三重県桑名市出身。
大学卒業後、アデコ(株)に営業として入社。支社長、部長職を経て、2014年からグローバルセールスへ転身しフィールドを世界へ広げ、人事・人財ソリューションによる価値提案を国内外で法人向けに行う。現在はグローバル⇔ローカル(地方創生VI)を行き来し、社会貢献のため活動。
学生時代から世界を放浪。これまで49か国、200都市以上訪問。