スポーツも仕事も楽しんで取り組む! "公民館長"

大阪府阪南市

にしむら よしひろ

西村 吉弘

高校の保健体育科の講師を数年努めたのちに、阪南市の総合体育館で長年専門職員としてスポーツ振興の事業に努めた。昨年度からは尾崎公民館の館長として従事している。施設管理・運営の業務に従事する一方、子ども将棋教室やPC教室などを公民館で催して地域交流を活発化させている。

一どんな活動をされていますか?

昨年度より、指定管理者として、尾崎公民館の館長を務め公民館運営に関する全般の業務に従事しております。

公民館には「集い、学び、結ぶ」という基本の教育機能がありますが、それを尾崎公民館においても果たすべく、子ども将棋教室やパソコン教室の企画・運営を行い、阪南市における多世代交流を推進しています。

阪南市も他の自治体と同様に、団塊の世代に係る問題や少子化の煽りを受けて、人と人との繋がりという機会が減っています。これは、阪南市の地域力が低下する要因となります。
今後も、尾崎公民館を「集い、学び、結ぶ」場として活用できるよう企画・提供を続けることで、阪南市全体の地域力向上に繋げていきたいと思っています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

若者世代へのアプローチについて課題を感じています。
先述した子ども将棋教室などでは、講師は高齢者で、受講者は子供たちです。阪南市は近隣に大学がなく、高校はあるけども後二年で廃校になるといった実情があり、若者世代が公民館に足を運ぶことが少ないのが現状です。

多世代交流の場を企画する上では、継続的に開催できるための運営・仕組みづくりが大事になってきます。
現在、運営に携わってもらえるような阪南市のキーパーソンは既に他の活動をしており、その活動で手一杯であることが多いです。若者世代には企画・運営を含めて公民館の活動に参加してもらいたいと考えています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

阪南市に残ってくれる人が増え、良いサイクルが生まれるのではないかと思います。
現在は在宅ワーカーのような働き方が当たり前になってきており、必ずしも都市部に移住したり、そうでなくとも出勤する必要がなくなってきています。

また、キャリア教育の実施についても検討しています。さまざまな働き方についても阪南市の学生世代に共有することができれば、阪南市に居住したまま働くことの可能性をイメージしやすくなると考えています。
そして阪南市に居住したまま働く人が増え、ひいては公民館の活動に参加してくれる若者世代の増加にもつながる、という良いサイクルを想像しています。

一今後の目標はなんですか?

既存の活動にとらわれない、公民館を活用した企画・開催を行いたいと思っています。
尾崎公民館自体は駅から近く、元々小学校だったこともあり、イベントの企画に際してはポテンシャルが高い建造物だと思っています。最近でも昔を懐かしんで結婚式用の写真撮影に訪れる方もいらっしゃいます。

公民館を、教育の場としてのみでなく、例えば食堂やキャリア支援の場を開催することで、より多くの幅広い世代の方が気軽に足を運べる居場所になれば、と考えています。

編集後記

阪南市の光陽台では3世代に渡って知られる程顔が広い方であり、インタビューに対しても朗らかで快活に応じて頂けました。
西村さんの顔の広さは、単なる経歴の長さから由来するものではなく、「顔と名前を必ず覚えること」や「名前を付けて声掛けをする」などといった、普段からの心がけを継続的に行ってきたことが現在に繋がっているのだと思います。
そしてそれらで培った人間関係は現在の尾崎公民館での企画においても、講師の募集などで活かされております。信頼関係構築というテーマをもってして活動する我々の活動においても、西村さんの人となりは学ぶべき点が多いと感じました。

-コーディネーター紹介-

ID 大阪府阪南市

くらはし たつや

倉橋 達也

大阪府豊能町出身、奈良県在住
医療系システム会社のプログラマーとしてキャリアをスタート。
2019年Adecco株式会社入社。メーカーの情報システム部員に派遣し、就業先社内のシステム運用保守および、業務改善支援として企画業務に従事している。