南伊豆・神子元島の海の魅力を世界へ!

静岡県南伊豆町

ありまつ まこと

有松 真

神奈川県茅ケ崎市出身。株式会社マックス代表取締役社長。 ダイビングショップ「神子元ハンマーズ」、お酒の海底熟成サービス「海のワイナリー」、海の家、下田海中水族館でのドルフィンダイビングなど、幅広く活動中。 移住者として地元の人たちとの繋がりの大切さに気付き、現在も協力しながら様々な活動に取り組んでいる。

一どんな活動をされていますか?

「神子元ハンマーズ」というダイビングショップと民宿、「ビーチハウスヒリゾ」というヒリゾ浜にある海の家、そして「海のワイナリー」というお酒の海底貯蔵サービスなどをやっています。南伊豆町にある神子元島という無人島周辺でのスキューバダイビングをメインに活動しています。

ダイビングのシーズンは基本的に日本と赤道直下の場所では逆なことが多いので、元々は、夏は日本、冬は海外でダイビングのインストラクターとして働いていました。その時に日本の拠点としていたのが下田でして、そこで神子元の海を知りました。また、縁があり今一緒に仕事をしている地元のボート会社さんとつながりを持つこともできました。コロナの影響や、会社を南伊豆町に立てたこともあり、この2年は日本メインで働いています。2004年から神子元島に潜っていますが、ここ10年くらい、神子元島のダイビングスポットで見ることができるハンマーヘッドシャークという絶滅危惧種のサメがすごく増えているんです。全然危なくないですよ。本当に世界のどのポイントに行ってもこんな光景は見ることはできないだろうと感じていて、今はもう腰を据えて日本でやろうかなと思っています。

海のワイナリーは日本での冬の仕事、ダイビングのローシーズンの仕事として始めました。お客様に好きなお飲み物を選んでいただいて、それを11月から5月の間海の中で熟成させるサービスです。元々海底熟成ワインを製造販売されているSUBRINAさんをダイバーとして手伝っていた経験もあり始めたサービスですね。海底貯蔵の問題は盗難と台風や海流の影響なのですが、その影響を受けにくいちょうどいいバランス、地点でやっています。今も、SUBRINAさん、漁協、地元の人と連携しながら取り組んでいます。

一今やっていることについての課題はなんですか?

この2年くらいでいうと、コロナの影響で外国人が来なくなったことですよね。ただ、逆にプラスの面もあって、日本人が増えました。今まで外国に行っていた日本人ダイバーが外国に行けない分潜りに来たりします。一方で、来年もしインバウンドが増えたとしても、観光客が増えること自体あまりよく思っていない人もまだいらっしゃったりするので、その空気感からまずは変えていかないとと思います。

あとは台風とサメ次第にはなってしまいますね。天候は何もできないですし、サメも水温が高い方が多い気がしていますが、そこも水温次第になってしまうと僕らでは何もコントロールできないので。ただ、僕も2004年から潜っていますけど、そこから見ても相当な海の変化があるんですよ。中にいる生き物が変わっています。なので、今後サメがいなくなった時に、どういう風に変化して、生き抜いていくためにどうするかは考えないといけないなと思います。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

コロナ対策の入国制限がなくなり、円安の影響もあって、来年の問い合わせは今までないくらい来ているので、来年(2023年)の夏は楽しみですね。ただ、この2年で畳んでしまった民宿さんがとても多いので、今後客足がコロナ前の水準に戻っても来た時に泊まれる場所がなかったりする。それを町と協力して盛り上げていきたいなと思います。

ITという観点では、海外向けのホームページのリニューアルを今まさにしています。宣伝はSNS全般、特にFacebookやInstagramを外国人は一番見ていますね。今までは国内の方に注力していて、海外向けには何も宣伝していなかったので、どんどん世界に発信していきたいと思います。

海のワイナリーに関しても、外国人からのリアクションが良いんです。個人からの問い合わせもありますし、インバウンド向けの旅行パッケージに組み込むなどのお話も来ているので、協力していきたいですね。

一今後の目標はなんですか?

まずは、来年(2023年)の2月にマレーシアのクアラルンプールでDRT SHOW(Diving Resort Travel Show)というスキューバダイビングの祭典がありまして、そこのJAPANブースに出展して神子元を、南伊豆を売っていきたいなと思っています。神子元島の売りになっているハンマーヘッドシャークは、世界的には地球上の秘境でしか見ることができないんです。ガラパゴスとか、コスタリカとか、マレーシアの秘境の秘境みたいな場所でしか大群は見ることができない。その点、東京から日帰りで行ける距離にハンマーヘッドシャークが見ることができるダイビングスポットがあると言うとすごく喜ばれるんです。そこはすごくメリットのあるポイントだと思うので、強みとして宣伝できると思っています。

南伊豆は観光地としてはまだ全然やれると思うので、前述した宿泊場所については町もバックアップしながら、僕らは地元の業者として集客をして、盛り上げていきたいなと思います。

編集後記

ダイビング、そして海への愛がとても伝わってくる1時間でした!
今は日本メインということでしたが、日本と海外を行き来する働き方や、日本を拠点に様々なサービスに取り組まれている姿など、とても柔軟な生き方だなと感じました。
記事には盛り込めませんでしたが、「南伊豆に来た当初は自分たちの方が壁を作っていたのかなと、最初からもっと地元の人と繋がり合えば良かったのかなと思う」という言葉は、今その繋がりを大切にされているからこそ出てくるものだろうと印象に残っています。
観光客が増えていくであろう来年の夏以降が楽しみです!

-コーディネーター紹介-

ID 静岡県南伊豆町

とみより ゆうな

冨依 優奈

横浜市出身。大学卒業後、2020年にModis(旧VSN)へ入社。
ITエンジニアとして、セキュリティ診断やサーバー運用などに携わる。
人の生活と距離の近い活動がしたいと考えていたところ地方創生VIを知り、2021年から南伊豆町チームに参画。