一どんな活動をしていますか?
高温と強い還元焼成で、真壁土の特徴でもある鉄分を複雑に窯変発色させる独特の「真壁焼」を益子の工房で作っています。
一はじめたきっかけはなんですか?
小さい頃は刀鍛冶に憧れていました。大工だった祖父の影響もあって、物をつくる事が好きでした。
1990年代は仕事で日本各地へ出張に行く仕事が多かったため、そのまま、九谷、越前、備前などの焼き物の故郷をよく訪れるようになりました。そして当然のように焼き物に強く引き込まれてしまいます。
益子は自宅から近かったので、陶器市があるとほとんど通っていて、丹波立杭の名工、初代市野信水氏の弟子である伊勢克己氏と1990年代年に益子で出会いました。丹波の強還元焼成の作品に触れ、すぐに伊勢克己氏の作品魅了され、陶器市の度に会いに行くようになりました。それから弟子にと懇願したのですが、認めてもらえるまでに約5年かかりました。あえて弟子となったのは2000年代になってからのことでした。
師事してからは仕事と両立させて作陶に励んでいました。
一一番大切にしていることはなんですか?
こだわりは、使いやすさを一番に考えて作っています。
ぐい飲みはどういった形状であれば美味しいお酒が飲めるか、マグカップはどう工夫すれば持ちやすく感じるか、などを道具としての使いやすさを常に意識しています。
釉薬(長石釉)の濃度、窯全体の温度管理、そして還元(酸素濃度を極限まで下げる)の三要素とその日の気温や湿度で結果が決まってしまうので、安定した窯変を出すのが非常に困難なことも事実です。要するに、同じ発色は二度と出ないということなのです。
現在は一回の窯で窯変の出た作品は5から6割そして本当に納得できる作品は約1割程度です。それでも、最初の頃の全滅から比べれば、緻密なデータ収集を取り続け、繰り返し試し焼きで、少しづつ成功する確率を上げてきた事が功を奏しているのです。
一今後の目標を教えてください
まずは1・・・3年を目途に「真壁焼」を定着させることが目標です。
そして、2・・・やりたい人を探して、すべてデータと共にこの素晴らしい強度の土を焼く、窯変陶器を繋いで欲しいと思っています。
そして、3・・・小さな規模でいいので、真壁土を使った陶器市を真壁で開催したいです。
アピールポイント
電動ろくろは一切使わず、手びねり成型にこだわっています。なので同じ形の作品はひとつもありません。
-コーディネーター紹介-
細かいグラフやデータを記録するのは、前にされていたお仕事の影響だと聞き納得しました。
たくさん勉強させてもらいました。真似からはじめようと思います。
2019年9月3日