天然木の良さを…

長野県箕輪町

シロトリ ヒデフミ

城取 秀文

大阪への進学・就職後、北欧家具の魅力に惹きつけられ、家具職人の道を歩むためUターン。 手作り家具工房 Chloros Furniture (クロロスファニチャー) で、天然木無垢材と自然塗料を使用したオーダー家具を製作。

一どんな活動をしていますか?

オーダー家具の製作やカーテンの販売をしています。
テーブルや椅子等の置き家具をはじめ、キッチンやクローゼットなど住宅の新築・リフォーム工事に関わる据え付け家具も多く手がけています。

作る家具は、シンプルな中にも木の素材感を生かし、日本の生活スタイルに合うデザインを心がけています。

一はじめたきっかけはなんですか?

実家は家具やカーテンなどのインテリア全般の仕入れ・販売をしていましたが、元々家具職人なるつもりはなかったんですよ。
大阪の大学に進学し、就職も向こうでした。就職先は輸入家具の販売会社です。
実家を継ぐこともあるかもしれないと思ったので、入社を決めました。

そこで一年ほど販売員をしていた時に出会ったのが北欧家具で、有名なデザイナーの作品に触れることができました。そういった作品は1950年代~60年代にデザインされたものが多いのですが、今でも色あせず作り続けられ、ずっと変わらない魅力を持ち続けているんです。
シンプルでモダンながらも、木の素材感のあるデザインに惹かれました。

自分でもそういった家具を作りたいと思い、
当時木工科のあった上伊那の技術専門学校で学ぶため、実家へ帰ってきました。

  • 実家の家具専門店の一角が工房とショールームになっている。

  • 最近は、家具だけでなく、こだわりの雑貨の仕入れ販売も手掛ける。 カッティングボードは、工房ででた端材から仕立てたオリジナル。

一一番大切にしていることはなんですか?

職人になることについて、はじめ両親からは反対されていたんです。
当時はアジア諸国の人件費の安い地域で作られた家具がどんどん入ってきていた頃。国内生産の家具は金額が高すぎて売れない、と言われていました。

でも大阪で小さな工房の職人たちが、技術やデザインを生かした家具で生計を立てているのを見て、自分もやっていけるんじゃないかと感じました。

木の素材の楽しさは、一本一本の材が皆違った個性を持っていることです。
時代も自然素材にこだわったり、化学物質を敬遠するお客さんが増えてきました。
こうした移り変わりの中で、木の良さを生かした作品をつくっていけることが嬉しいですね。

一今後の目標を教えてください

今年は店舗内のショールームをリニューアルしたいですね。
最近は妻が雑貨の仕入れをやってくれていて、国内でこだわりの物づくりをしている作家さんの作品も一緒に展示販売しています。作り手や物づくりが感じられるショールームにしていきたいですね。

アピールポイント

天然素材としての木の良さと、北欧家具のシンプルで美しいデザインを併せ持つ家具を追及していきたい。

-コーディネーター紹介-

ご実家の「南信家具センター」の一角にショールームを持つ、城取さんのChloros Furniture (クロロスファニチャー) 。バイパスに面したショーウィンドーの前を通るたびに、素敵なたたずまいの惹かれ、気になっていた場所です。最近、城取さんの家具を使ったカフェが町内にオープンしましたが、地域に木や素材を大切にする生活が根付いてほしいと感じています。

ID124 長野県箕輪町

せきぐちゆうこ

関口悠子

千葉県出身 1984年生まれ  アウトドアメーカー勤務、ニュージーランドでのワーキングホリデーを経て、 2014年から地域おこし協力隊として箕輪町へ移住。 3年間の任期の前半は、農産物直売所に出入りし、 農家さんをまわったり、漬物などの信州の伝統的な食文化にはまる。 後半は移住定住や町の広報番組作りを担当し、大根ぶりを発揮中。 週末は有志の皆さんと、伊那谷 Open Cafe Project に参加したり、 地元の皆さんに地元を楽しんでもらうイベントの運営に関わったり、 放棄地だった畑をかりて、野菜を作ったり…。 毎日あわただしく過ごしておりますが、 大好きな「伊那谷」の風景とともに、楽しい田舎暮らしを満喫しています!