一どんな活動をしていますか?
日高村の山間部で特別栽培の生姜と文旦という柑橘を作っています。
生姜って、“ギャンブル野菜”と言われるほど、育てるのが難しい!気象や気候に左右されやすいし、病気にとてもかかりやすいから、植えても全然収穫できなかったりもします。
それでもうちの壬生農園の生姜は、100%植えたら98%収穫できるほどの、生姜の強さがあり、安心・安全が誇りです。傷み辛くて、新鮮な証拠に、割ったときにパキッと甲高い音が鳴ります。しかも、生姜は80%が水で、水に普通浮きますが、うちの生姜は実が入っているので、沈むんです。ちなみに日高村の特産品、シュガートマトも実が詰まっていて水に沈みます。似ているなあ。品種は“土佐一”というんですが、壬生農園の土佐一の種はとても強いので、種も売っています。嬉しかったのが、問屋さんに安心・安全の生姜が認知されて、壬生農園の生姜があるっていうことで、他県のある市場の生姜の出荷量が4倍になったんですよ。信頼が広まっていると感じましたね!
一はじめたきっかけはなんですか?
ファーストキャリアは市内で営業サラリーマンでした。30歳の時、父が体調を崩して、文旦を高松に出荷する手伝いをし始め、車の中で親父と話す時間がありました。その時に、これから先を考えて、継ぐことに決めたんですが、生姜の育て方なんて知らなかったので、1からのスタートでしたね。
けれど不安よりも向上心のほうが強かったですね。市場に仲買人を通さず直接売ることも始めました。
一一番大切にしていることはなんですか?
ブランド力ですね。壬生農園にしか出せないブランドを積極的に出す事です。
市場に直接売れることから、“高知県産の生姜”とまとめられず、“壬生農園の生姜”として売る事ができます。安心・安全で傷みにくいこと、長持ちすることがうちの売りなので、壬生農園の生姜を欲しがってもらえるよう、ブランドを大切にしています。価格は他の生姜と一緒で、品質が他よりいい。買い求めてくださる人に好かれるよう、努力しています。―そのために生姜商品を作る予定はありますか?
壬生農園が今、一つ販売している加工品が生姜のパウダーです。ロスをなくすために、パウダーを作り始めました。けれどもっと展開するには、設備が足りなかったりするので、加工してくれる所に生姜を渡すようにしていますね。
一今後の目標を教えてください
1つはさらにブランド力をつけていくこと。もう一つは同業者に「壬生農園」をもっと知ってもらうこと。同業者の方がうちの箱を見たときに、「あれが壬生農園の生姜か!」と言ってもらえるようになりたいです!
アピールポイント
立教大学観光学部3年 島元 奈美(しまもと なみ)
「安心・安全の壬生農園の信頼が揺るがないか」。どんな仕事をするにも、この軸はブレない。これにリスクを感じることには手を出さない。
壬生さんの考えはとってもシンプルで、ブランドをしっかり守る姿がかっこよかったです。
“ギャンブル野菜”を育てる壬生農園のギャンブラーは、とても堅実な男性でした。