鉾田がプライドをかけて作る野菜をもっと!

茨城県鉾田市

いちむら かずゆき

市村 和之

ほこた農業協同組合(JAほこた) 営農企画推進課 主査。 鉾田市の兼業農家出身、神奈川で大学を卒業後、神奈川で就職。 8年間営業職を経験、現在はその経験を活かし、JAほこたでタブレット端末を片手に農家さんを回りながら、農業を研究・サポートしている。

一どんな活動をされていますか?

農家さんの畑やビニールハウスをまわって、作物の状態を確認しています。現在はトマトを長く担当しています。

その他に農薬の情報を農家さんに提供することや、農家さんの青色申告のサポートなども行っています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

どの農家さんも全体として農業の先行きに不安を持たれています。高齢化で後継者がおらず、自分の代で終わりと思っている農家さんもいます。

また、市場へのアピールも十分できておらず、JAとして野菜をより高く販売できないことも大きな課題です。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

例えばトマトの話ですと「あまエル」という、完熟させて出荷するミニトマトのブランドがJAほこたにはあります。トマトはもともと水分や日光の当て方が難しく、農家さんでも高い品質のものをつくるためにかなり努力をされています。

そのノウハウをITでデータ化してマニュアル化できたら、ノウハウの伝授も難しくなくなりますし、品質の向上にもつながると思います。

既にスマートフォンのアプリで外気やハウス内の温度などのデータを取得し始めている農家さんもいらっしゃったり、機械を使って海に近いところや内陸で環境がどう違うのかの研究も行われていたりしますが、更にデータを活用できたらいいと思います。

また、今のIT技術を効果的に導入するには、もっと大規模な農業である必要がありますが、ビニールハウスが小さい農家さんも多いので、小規模でも効果的なIT導入ができて、農家さんの負担軽減ができたら良いと思います。

一今後の目標はなんですか?

農家さんもJAもプライドをもって野菜を作っています。鉾田のブランドがより市場で認められ、JAとして野菜をより高く販売できるようになることがミッションです。

アピールポイント

自分たちが普段食べている野菜が、どれだけ苦労して作られているものなのか、何も知らなかったことを痛感しました。特にミニトマトでは収穫時期が、わずか2日程度で、少しでも収穫が遅れると割れてしまうこと、割れてしまうと商品として出荷できずロスになってしまう現実や、ITがそう簡単に導入できない事情などを知り、私たちITエンジニアが農家さんの課題を解決するには、もっと農家の方からたくさんの情報を得ていく必要があるということを実感しました。

-コーディネーター紹介-

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株式会社VSN 地方創生VIメンバー

株式会社VSNのメンバーが、「地方創生VI」という全国の自治体の課題解決を目指すプログラムで、現地で活躍するキーマンの方々を取材しました。