地域の繋がりが商売に繋がる。

茨城県鉾田市

とびた てるつぐ

飛田 光胤

飛田 光胤 (菓子処とびた店主) 茨城県鉾田市出身。 創業から100年を超える老舗「菓子処とびた」4代目を務める。

一どんな活動をされていますか?

創業から100年を超える老舗「菓子処とびた」の4代目として、和菓子店を経営しております。家業を継ぐ前はサラリーマンをしておりましたが、3代目である父が体調を崩したことをきっかけに覚悟を決め、継ぐことを決意して菓子作りを一から学び、現在の4代目となりました。数ある和菓子の中でも、鉾田の特産品であるメロンを利用した「メロン大福」は、特にお客様にご好評をいただいています。また、店舗での販売だけではなく10年ほど前から近隣スーパーへの和菓子の卸売りも行っています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

近隣スーパーへの和菓子の卸売りをやっているのですが、スーパーとの取引の中で10月から消費税が上がるから、10円上げてくれとは簡単に言えないのが現状です。これまでの付き合いがあるので。

卸値は変えられないですし、取引は続けていきたいので少し大きさを小さくするなど工夫しています。和菓子を買いに来る人は、わざわざお店に来るより、スーパーの買い出しのついでに和菓子を買うほうが絶対にいいはずです。

親の世代は作れば売れる時代でしたが、今はそうではありません。いかに無駄なく作るかを工夫する必要がある厳しい時代だと思います。

また、鉾田ではラジオ体操や病気見舞い、お中元など、昔からある地域の人たちのコミュニティが失われています。それは時代の流れからくる効率化や交際費の節約などが要因です。しかし、地域の人たちのコミュニティを失くしてはいけないと思います。なぜなら地元の人は、商売をやっている人にとってはみんなお客様だからです。

私の性格上、人が多く集まるコミュニティなどに顔を出すのは苦手ですが、人々のつながりの場に出て行けば会話も生まれ、必ず商売につながっていきます。コミュニティが無くなってきていること、ここが間違いなく鉾田の課題だと思います。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

今後、時代の変化の中でテクノロジーは活用していかなければならないと思いますし、活用すれば間違いなく変化をもたらすと思います。

また、農業×ITで農業が潤えば、商業も自ずと潤っていくはずです。しかし、農業だけに頼ると鉾田の発展がないのではないかと思う人がいるのも事実です。

一今後の目標はなんですか?

まだ息子が5代目として和菓子店を継ぐかは分かりません。市内で別の仕事をするかもしれませんし、外で働くかもしれません。親として、いずれは地元に帰ってきてほしいと思っております。最後は地元に帰りたいと思える街でないといけません。

この先の未来の変化の中において、鉾田の人が守ってきた伝統や知恵、人々の繋がりは、忘れずに伝えていこうと思います。

アピールポイント

飛田さんは昔ながらの手作りと自然な材料にこだわり、地元ならではの和菓子を作り続けています。
ネットの台頭により小売り業界が変革していく中、創業から100年を超える老舗の店主だからこそ思う、伝統へのこだわりが垣間見えました。

-コーディネーター紹介-

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株式会社VSN 地方創生VIメンバー

株式会社VSNのメンバーが、「地方創生VI」という全国の自治体の課題解決を目指すプログラムで、現地で活躍するキーマンの方々を取材しました。