”人とのつながりを大切に” ロックなユニーク漁師さん

北海道豊浦町

ソトヤマ アキラ

外山 明

1961年1月2日、豊浦町生まれ。北海道・噴火湾のホタテ養殖発祥の地・豊浦町礼文華のホタテ漁師。鮮度を保ったままホタテを出荷できる施設を持つ「有限会社 北海スキャロップ」代表。

一どんな活動をしていますか?

ホタテ漁師で、毎朝2時半に船で沖に出ているよ。ホタテの最盛期は冬だけど季節ごとにたくさん仕事があるので毎日忙しいよ。 「北海スキャロップ」は10年以上前に地元の漁師さんが数人で作った会社。縁あって数年前から代表を務めている。でもこっちの仕事はほとんどボランティア。従業員が食べているだけの利益があればいいんだ。だって俺は漁師だからね!

一はじめたきっかけはなんですか?

祖父・父親も豊浦町礼文華で漁師をしていた。オヤジは50年前に仲間数人とホタテ養殖を始めた人。 俺は高校を卒業した後、札幌などで車のディーラーとして働いていたんだ。オヤジには「よその飯を食って修行してこい!」って言われたよ。車に興味があったからね。俺はクラブ系やロック音楽も大好きで、札幌のクラブでアルバイトしていたこともあるんだよ。モテた記憶は全然ないけどね(笑)。 漁師さんはやりたくなかったんだよなぁー。でも25歳のころ、父親に後継ぎとして「ヘッドハンティング」されて豊浦町に戻ってきたんだ。それからはオヤジと一緒に船に乗って漁師の勉強をしたよ。

  • 今年10月15日に行われた外山さんの船「天神丸」の新造式。お祝いするかのような秋晴れの一日でした。

  • 趣味をたくさん持っている外山さん。おいしい料理を食べることも、そのひとつ。食事をしながらのインタビュー中も、笑いが止まりませんでした。

一一番大切にしていることはなんですか?

漁師としても北海スキャロップの社長としても一番大切にしているのは「人とのつながり」。北海スキャロップは漁師が社長の会社。だからこの会社からホタテを買ったら安心だと思ってもらえる。 今年9月に北海道が襲われた台風10号では、豊浦町も被害が出た。ホタテを吊り上げているロープが切れてこれからの漁に影響が出ると思う。設備を直すのも自分でしなくちゃいけないから精神的にもとても苦痛だよ。でもこんな時、普段から「つながり」を大事に商売していると、お客さんも「漁師の会社なんだからしょうがない」と思ってくれる。だって、1度でも漁船に乗ってみてごらん。本当に大変なんだから、漁師の仕事は。

一今後の目標を教えてください

大好きなロックを聴きながらお酒を飲みたいな。俺は「さだまさしに似てる」ってよく言われるけど、本当にロックが大好きなんだ。 でも、豊浦町礼文華は俺が生まれた所だから、好きだ。新しい船が来て漁師としてさらにやる気が出たよ!

アピールポイント

-コーディネーター紹介-

外山明さんは豊浦町ではちょっとした有名人です。漁師さんとして、北海スキャロップの社長としてはもちろんのこと、とても明るくてジョークが好きで、会う人をいつも笑顔にしてくれます。 趣味は競馬と音楽鑑賞。人とのつながりをとても大切にしていて、最近はシンガポールや台湾などアジアからの観光客を対象とした加工場見学を行ったりもしています。また、大阪から移住してきた男性をお弟子さんにして、ふだんは2人で船に乗っています。 漁師さんと言うと物静かでちょっと近づきがたいイメージがありましたが、外山さんはマチを元気にしてくれる一生懸命でユニークな漁師さんでした。

ID120 北海道豊浦町

たなか ひろこ

田中 博子

1978年生まれ、38歳。短大卒業後、テレビ制作会社でディレクターを経験。その後、イギリスに語学留学し、帰国後は添乗員として海外からの観光客のガイドなどに携わる。 地域に密着して英語を生かした観光の仕事がしたいと豊浦町の地域おこし協力隊に応募。2016年7月に豊浦町に移住。祖父が漁師だったこと、たまたま住み始めた場所がホタテ養殖で有名な礼文華地区だったこともあり、漁師さんとのつながりを大切にしながら今後の豊浦町の観光に生かしていきたいと考えています。