「治す医療」から「支える医療」へ、地域に寄り添う「どこでもクリニック益子」

栃木県芳賀郡益子町

イケノヤ コウヘイ

池ノ谷 紘平

1980年生まれの埼玉県出身。2005年香川大学医学部卒業後、自治医科大学アレルギー膠原病学部門、多摩総合医療センター救急診療科、自治医科大学大学院地域医療学系を経て、2012年一般社団法人医療振興会設立。2013年に「どこでもクリニック」を個人開業し、「治す医療」から「支える医療」への実現のため、一般診療の他、在宅診療や訪問看護等を行っている。

一どんな活動をしていますか?

2013年9月に「どこでもクリニック」を開業し、地域の方が気軽に相談できる診療所を目指しています。 相談内容は自分や家族の病気の事はもちろん、介護の事、生活の事地域の事などなんでもかまいません。 これからの社会では、医療の役割は病院で病気を「治す医療」から地域で生活を「支える医療」に変化してきています。また、病気にさせない、重症化させない「予防」の役割もこれまで以上に高まっています。私達は医療の専門家として患者様が生活を送るアドバイスが出来ればと思っています。週3回の外来診療日では高血圧、糖尿病、認知症などの慢性期疾患やリウマチ膠原病を診療しており、週2日は訪問診療を行っております。

一はじめたきっかけはなんですか?

元々大きな病院に勤めている際に、リウマチの患者様を担当していたのですが、足を引きずって通院される方が多かったんです。その中で、遠方の患者様が1日仕事で来院され、診療時間になっても短時間での診察になることが多く、患者様に申し訳ないなあと思うことがありました。 そして、「遠くまで辛い思いをせずとも通え、気軽に相談できる病院があれば」と考えるようになっていた頃、 知りあいを通じて益子町の大塚朋之町長と面会をしたんです。そして、この想いをぶつけたところ、「益子町の田野地区で営業していた先生がクリニックを閉院された。ぜひ、そこでチャレンジしてみませんか」という言葉をいただき、町の応援をうけて、どこでもクリニックの開設に至りました。

  • 診療所のある地域の皆様とは、毎日のように交流がある。

  • 田園風景の中で訪問診療に向かう。

一一番大切にしていることはなんですか?

田野地区の皆様に対して信頼と誠実な気持ちを持って仕事をするということです。 2013年9月に開業して以来、どこでもクリニックがある田野地区の皆様には大変お世話になりました。 開業した当初、地区のリーダーさん達が積極的に診療にいらしてくれて、地区の皆様に診療を勧めてくれたんです。出身地も住んでいる所も違う私を、信頼し、体を預けてくれるその気持ちが本当に嬉しかった。 その気持ちに報いるためにも、常に誠実な診療、患者さんの気持ちに立った診療を大切にしなければと思っています。

一今後の目標を教えてください

地域の中には、「最寄りの病院までの交通手段が限られている方」、「高齢や病気のため一人で病院に通えなかったりする方」、それによって「診療途中で足が遠のいてしまう方」、そういった方がまだまだいらっしゃいます。そういった方のために、各地区の集会所で診療をしたり、「○○科は隣町にしかないから」という患者様のためにも、今はまだない科を増やしていければと思っています。 まだ未定ですが、来年度から県の補助を受け、眼科を開設する予定でおります。 今後も住民の皆さんのお気持ちに立って、身近で何でも気軽に相談できるクリニックでありたいと思っています。

アピールポイント

【どこでもクリニック益子】
私たちは、イノベーティブな発想で地域社会に貢献する事を目指します。

診療科  :内科、リウマチ科、在宅診療、訪問看護
外来日  :月・水・金
訪問診療日:火・木
診療時間 :午前10時~13時/午後14時~18時
住所   :〒321-4225 栃木県芳賀郡益子大字長堤574-1
電話   :0285-81-5137
FAX    :028-333-1240

-コーディネーター紹介-

池ノ谷先生とはどこでもクリニック開業の時に出会いました。いつも大変謙虚な方で、インタビューの中で田野地区の皆様が支えてくれたというお話しをされた時は、涙ぐまれるご様子もありました。本当に患者様のことを心から考え、寄り添いたいというお気持ちが言葉の1つ1つから伝わってきました。

ID88 栃木県芳賀郡益子町

いわさきまきこ

岩崎真紀子

1986年生まれの益子町出身。学生時代は神奈川県ですごし、Uターンして益子町役場へ。小さな地域でもつながりにくいヒトやモノ、コトをつなぐことに必要性を感じ、2009年に町内の陶芸をはじめとするクリエイター、農家、勤め人ら有志でつくる地域コミュニティヒジノワの立ち上げに参加。以後、運営に関わっている。