一どんな活動をしていますか?
父親の作った会社を一緒に経営しています。
業界でいったら、製造業の機械部品加工ですね。
主に大手の車やカメラメーカーの部品を作っています。
専門的にいったら、MC加工、NC加工やワイヤー加工というところかな。
うちでしかできない、機械のキーとなる部品を少しづつ増やして、
オンリーワンの物づくりを目指しています。
会社の経営については、大きくするだけが会社ではないと思っていますね。
うちの従業員は3人で、いかにも町工場的ですが、
持続的な成長を遂げる、かつグローバルな企業を目指しています。
一はじめたきっかけはなんですか?
小さな事業所の「持続的な成長」の考えは、自分にとって革命的でした。
もっと会社大きくしたら?とも言われるんですが、そんな考えもあるんだと!
出会いは商工会青年部で中心となって活動している時でした。
ちょっと耳慣れないかもしれないですが、
2014年に中小企業基本法が改正され、小規模企業振興基本法というものが作られたんです。
この法律を作るのに大きくかかわった議員さんの講演会やイベントで勉強させてもらう機会がありました。
うちみたいな中小企業(従業員30人以上)に満たない小規模事業者を応援してくれる法律ですね。
小さい規模でも持続的に成長できることを教えてくれました。
大きな規模にすると、楽になる部分もできるけれど、どうしてもコストがかかってくる。
うちも正直に人を増やすか悩むこともありますが、
リーマンショックを経て、コストをかけずにお客様に喜んでもらうことを徹底しています。
一一番大切にしていることはなんですか?
やっぱり、お客様に喜んでもらえた時が一番やりがいを感じるよね。
価格でも納期の面でも。
それと、外部の方に製品を褒めてもらえた時や、
同じ業界の社長さんたちからうちの部品作りを頼りにしてもらった時かな。
一今後の目標を教えてください
2つありますね。
まずは子どもたちへ。
人口減少の時代ですが、次世代を担う子にいつか町へ帰ってきてほしいです。
そのために、ここには色々な会社があって仕事があること、
箕輪町っていいところだよ、ってことを見せていきたいですね。
そのために、中学生の職場体験も積極的に受け入れています。
今年は中学校の技術部の子たちも見学に来てくれたかな。
一人でもこの町に帰ってきてほしいですね。
もう一つは、
こんな小さな町工場ですが、ちょっと世界を向いていきたいな、と。
同業者で「がんばる加工屋の会」というものをやっているんですが、
年に一回海外に視察に行くことにしています。
ベトナム、中国、フィリピンに行きました。
毎回ものすごく感銘を受けますし、自分の見方も変わります。
あちらの皆さんの仕事への頑張りをヒシヒシと感じますね。
でも、同時に「日本製のすごさ」を再認識します。
品質の高さや、作り手のプライドですね。
彼らとタックを組めば、すごいことができるんじゃないかな。
そんなこともできれば、と考えています。
自社製品をメーカー化せずに行けるところまで行ってみたい。
こうした活動を通して、お客様のニーズに答えるオンリーワンの会社を目指したいです。
アピールポイント
お客様のニーズに答えるオンリーワンの会社を目指す。そのために、町工場でもちょっと世界を向いたり、町に戻ってきたいと思う子を増やしたい。写真は中学生の技術部の工場見学の様子。
-コーディネーター紹介-
やわらかい笑顔の裏に、経営者として町の将来を想っている方の一人。町のイベントでいつもお世話になっていますが、今回はお仕事についてじっくりうかがえました。お子さんの話を笑顔でしてくださる優しいお父さんの一面も。