「一期一会」がコトを動かす。鰤漁のまち、九鬼を率いるリーダー。

三重県尾鷲市九鬼町

タサキユウイチ

田崎祐一

三重県尾鷲市九鬼町出身。東京生活を経て、平成16年に九鬼町に戻り、町内会長、区長、九鬼浦共同組合の組合長などを歴任。得意なことは、料理。

一どんな活動をしていますか?

九鬼町の区長として、行政と町民をつなぐのが役目です。昔はにぎわっていた町ですが、めっきり人が減ってしまいました。町を盛り上げるため、料理コンテストを開催したり、郷土食や九鬼の水産資源の豊かさを発信する活動を推進したりしています。自分自身も料理人なので、イベントでは包丁を握ってブリをさばくこともあるんです。九鬼町には飲食店が1軒もない状態が続いていて、食べるところ、人が集うところを復活させたいという町の声にも後押しされて、地域おこし協力隊を募集することにしました。その結果、立ち上がったのが食堂「網干場」です。

一はじめたきっかけはなんですか?

九鬼町に帰ってきて、九鬼町の小学校・中学校が相次いで、休校・廃校になったことがきっかけです。学校がなくなるというのは、ショックでした。子どもの声が聞こえんと、年よりも元気にならんわい。やっぱり町には若い人が必要だと思いました。

一一番大切にしていることはなんですか?

「一期一会」ですね。一つの出会いが、自分の人生に後からつながってくることがあります。そのときに何か起きなくても、別のところで、めぐり会うようなこともあるんです。だから、人をもてなすにしても、手をぬかないようにしています。

一今後の目標を教えてください

九鬼町に昔のようなにぎわいを取り戻したいですね。例えば、昔は夏祭りの夜には花火を打ち上げていたんですが、山に囲まれた入り江になっている九鬼の湾内に轟音が響いてすごかった。これをぜひ復活させたいと考えています。他にも、水陸両用バスの遊覧ツアーとか、海上レストランの計画など、アイディアはたくさんあるんです。よそから移り住んでくれる人の応援もしているし、九鬼出身の人たちにも、もっと帰ってきてほしいですね。

アピールポイント

-コーディネーター紹介-

ID160 三重県尾鷲市九鬼町

とよだちゅうや

豊田宙也

1986年東京生。大学・大学院での哲学的思索のはてに、2014年9月より三重県尾鷲市の漁師町、九鬼で地域おこし協力隊として活動をはじめる。「飲食店がなくなってしまったまちに新たな集いの場をつくる」ことを目的として、食堂「網干場(あばば)」を立ち上げ、地元住民と結成したチームで運営している。任期終了後の定住を心に決めて、2016年度よりは九鬼町内会会長も務めるとともに、食堂「網干場」を中心に培った経験とネットワークを活かした創業を準備中。