紙漉きは一生習い

高知県いの町

ともくさ きみえ

友草 喜美枝

いの町で生まれ育ち、18歳から紙漉き業に携わる。 博物館ができた当初から働き出して30年。 https://kamihaku.com/(いの町紙の博物館)

一どんな活動をしていますか?

紙の原料をつくるとこからできあがるまで全部の工程をやっています。例えば、紙を漉(す)いたり、付けたり(乾かすこと)、原料も作ったりしています。
原料は、こうぞの皮を水にさらして黒い外皮をはぎ取り、煮て、また水にさらしてチリと呼ばれる繊維の傷や節、汚れを取り除き、繊維をワタのようになるまで叩きつぶしたものを使います。

一はじめたきっかけはなんですか?

子どものころは紙漉きがいっぱいいて、昔は伊野町のどこの家も紙をみんなが漉いてました。母が自分ちの紙漉きを夜の8時ぐらいまでしていて、寂しかったので迎えに行って、中学校ぐらいから手伝いをしていました。18歳から紙漉きの仕事に行き、そこの3代目の紙漉きと19歳で結婚しました。
そこからずっと今まで紙漉きをやっています。

一一番大切にしていることはなんですか?

売れるような紙をつくれるようにすることです。「友草さんがしている流し漉きは何年かけても習得することが難しく、いの町でもできる人は限られます。(いの町役場の杉本さん)」同じ厚さの紙を100枚、200枚漉くことはとても大変です。
紙を漉いていてきれいに仕上がったら「よかった、嬉しい」と思うし、失敗したら嫌になります。やっぱり売れたら嬉しいね。

一今後の目標を教えてください

紙を使う人が増えることですね。
使う人が減ったから紙を漉く人も減ったので、新しい紙の使い方があったらいいと思います。
そして、継いでくれる人が出てきてほしいです。もし紙漉きをしたいという人が出てきたら技術を教えたいと思います。
今、自分が作った紙がどのような使われ方をしているか知らないので、どのように使われているのか知れたら嬉しいです。

アピールポイント

大正大学 地域創生学部2年 中野美優(なかの みゅう)
友草さんのお話を伺った後に、友草さんに実際に紙を漉く様子を見せていただきました。
大きな木の枠を使ってとても簡単そうにどんどん紙を漉いていく友草さん。
その後、私も紙漉き体験をさせていただきましたが、友草さんよりも小さい枠で漉いたのに重くて腕がプルプルし、紙の厚さを均一にするのも難しかったです。
友草さんのお話と紙漉き体験で伝統産業のこれからの継続の仕方や、価値の見出し方などいろいろなことを考えさせられるインタビューでした。

-コーディネーター紹介-

ID

がくせい

学生

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