林業の若き革命家

栃木県矢板市

しらいし もりひと

白石 盛人

代々続く林業の家系に生まれ、小さい頃から親に連れられ山が身近な環境で育つ。 小学校の建て替え時に、父親から「お前の通う小学校になるんだよ」と言われ、山から木を切り出し、小学校になる、その一連の流れを見て、父親の仕事が誇らしくなり、この仕事を選ぶ。 木材産業としての林業から山を守るための林業へのパラダイムシフトを起こすため、新しいことへ挑戦し続けている。

一どんな活動をされていますか?

私の会社は平均年齢20代後半から30代前半の若い会社です。月給制、有給休暇など、今までの林業になかった新しい制度も取り入れています。栃木県は県有林が多いので、県の仕事を多くしていたため、本でしか見ないような新しい作業方法等をさせてもらっていました。ツリークライミングなども企画し、少しでもエンドユーザー側を知るとともに、木育や、環境教育についても関わることで、山を体験してもらいたいと思っています。また、たかはらさくら青年会議所 (矢板市、塩谷町、さくら市合同)の理事長もしています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

木を使う社会を作っていく事も理想だと思っていますが、資源として必ずしも木である必要はないと実感させられる場面は多くあります。技術の向上もあり、木と見分けのつかない木目シールも出てきているので、木のライバルはシールだという話もしています。木材需要だけでは限界があるというのも課題だと思っています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

ITを使ってできそうな事を考えたことは、今まであまりなかったです。データを取ることで方向性や視点を変え、考え方を変えることはできるのかなと思います。業務の生産性向上を目的としたIT製品に触れる機会もありますが、今までの産業の延長にあるものが多いです。ドローンも所持していますが、今のところは山で写真を撮ることくらいでしか使用していないです。山の管理等の提案はできることもありますが、ITに関しては専門家の方と連携していった方が良いと考えています。

一今後の目標はなんですか?

資源(木材)を作るものとしての林業だけでなく、環境を守っている山を作る業種として林業を見てもらえるようになると良いと思っています。

海側の土地では、海側で働く人たちが山に対して大きく投資をしているところもあります。大企業は環境に目を向けて、森づくり、山の整備を行う動きもあり、それを中小企業まで広げていきたいと思っています。

林業は収穫までのスパンが50年ほどあり、その間は収入を得ることができず空白期間になってしまうので、その間に別の取り組みができると面白いのではないかと思っています。

個人で山を守るのは限界があると考えているので、今後は企業で山を所有してもらい、企業イメージに合った山づくりの提案もさせてもらいたいと思っています。

山づくりでワクワクしたいですね。

アピールポイント

白石さんがチャレンジを続けられるのは、祖父の代から新しいことへの挑戦を否定しない家系であることも一因であるとおっしゃっていました。
山を使って何ができるのか、という話で、インタビューなのにも関わらず、全員で考え込んでしまう場面があるほど話が白熱してしまいました。

-コーディネーター紹介-

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株式会社VSN 地方創生VIメンバー

株式会社VSNのメンバーが、「地方創生VI」という全国の自治体の課題解決を目指すプログラムで、現地で活躍するキーマンの方々を取材しました。