一どんな活動をしていますか?
連合自治会長としての活動は、年間を通して行っている様々な行事の準備や打ち合わせ、統括です。加えて他にもたくさんの役職も任されていて、それらの会合などにも参加しています。比之宮地区では集落営農組合を作っていて、その組合の会計もやっています。集落営農組合では共同作業を大切にしているため段取り決め、田植え、稲刈りもしています。それらの仕事の合間を縫って組合が保有している田んぼ(田植えができなくなってしまった方々が所有するものも含む)の草刈りも行っています。とにかく頼まれる草刈りは全部やっています。比之宮地区には一人暮らしの女性の方が多いので彼女たちの代わりや、今は県外で生活しているけど比之宮地区に家を持っていて家をきれいにしていたい人々の代わりにする草刈りが多く、今行っている活動の中で草刈りに一番時間を使っています。
さらに今年の5月から有志の運転で、移動手段がない人のために診療所、公民館、交流センターへ片道100円で有償運送サービスも始めました。
田舎暮らし体験として、お試し体験住宅があり、1日、2日からでも、1ヵ月でも(月額は3万円)で提供し、町外から来た人々に比之宮地区での生活を体験してもらっています。
一はじめたきっかけはなんですか?
日之宮連合自治会は合併の前(美郷町は旧邑智町と旧大和村が合併をしてできた町です。)の平成16年8月に設立したものです。自治会などの小さな組織では、人口減少や高齢化により活動できる人々が減り、運営が難しくなったため、連合自治会として活動を始めました。
民泊は行政から頼まれて始めました。日本では今、様々な国から来た人々を民泊で受け入れようとしているが、比之宮地区では日本の都会に住んでいる人を、農泊(島根田舎丸ごと体験)・民泊で受け入れたいです。
一一番大切にしていることはなんですか?
比之宮をより良くするためには話し合いが一番だと思っています。一人で引っ張っていこうなんてさらさら無いからね。どれだけ声を拾い上げながら動いていくか、色んな声があったときに小さな意見も尊重してでどうやってそれらを繋いでゆくか。今まで何もできなかった分、体が動く限りは貢献したいな、と思うから自治会や行事に積極的に参加したり運営したりしています。
特に毎年行っている敬老会は地域の人たちが集う大切な行事です。地区ごとに出し物を考えて練習してきたものをステージの上でパフォーマンスします。これが大いに盛り上がりたくさん笑い、話し、仲良くなれる行事になっていると思っています。比之宮の人たちは、集まって話して協力して何かを作っていくことが当たり前になってきてるように思います。
一今後の目標を教えてください
人が減るのは間違いないので、この地域が維持できるよう、たくさんの人に来て欲しいな。来てくれた人たちには地区みんなで感謝するし歓迎するし、美郷町、そして比之宮を好きになってもらえるように、できる範囲の努力をします。
そして地域の人たちとの温かい繋がりを大事にしていきたいです。毎年やっている敬老会などの行事、そのための話し合いや練習、準備、しめ縄づくりなど、みんなが集う機会や一緒になにかを作り上げる時間、笑ったり話したりする当たり前のようですごく大切なひと時をずっと比之宮に残していきたいです。また最近始めた有償運送サービスのように、地域の人たちが困っていることやこんなことがあったらいいなという声に耳を傾けて、ずっと美郷で暮らしてきた人・Uターンで戻ってきてくれた人・Iターンや協力隊などで来てくれた人...ここで暮らすみんなで比之宮をよくしていきたいです。
実際に協力隊として来てくれた人と今でも連絡を取り合ったり旬のおいしい食べ物を送りあったり、協力隊だった人が結婚式まであげて住人になってくれたり、、なんてことがあるんです。結果的にそんなあったかいこと、嬉しいことが起きるような地域でありたいです。
編集後記
笠井 皓平 (かさい こうへい)22歳
まず初めに、懇親会に参加させていただいたなかで比之宮地区の人々は本当に仲がいいな、と思いました。やはりそれは地域における様々な交流をしてるからこその結果なんだろうと思います。比之宮地区の人々全員が顔と名前が一致する、と話してくれたことがとても印象的でした。上田さんに比之宮地区の良さを聞いたときに「人の良さ」を挙げられていたのが納得しました。僕自身今暮らしているアパートの部屋の隣の人がどんな人かも知らないので、地域単位で仲がいいこの比之宮地区の関係が羨ましかったです。一度訪れ、この地域の人々と交流したら間違いなく比之宮地区が好きになると思います。