「伝統あるお茶をたくさんの人に届けたい」

島根県津和野町

かみりょうるみ

上領瑠美

大阪府出身。大学卒業後、民間企業でマーケティング・商品企画・広告の業務に携わっていたが、父親の病気を機に津和野町へIターンし、祖父母が営む店舗を継ぐ決意をした。現在、創業約90年の店舗では津和野の特産品でもある「ざら茶」を中心に販売しており、町内をはじめ多くの方に親しまれている。

一どんな活動をしていますか?

津和野町特産の“ざら茶”を中心にブレンド茶、緑茶などの販売をしています。ざら茶はカワラケツメイというマメ科の植物を葉・茎・豆、全てまとめて焙煎した健康茶で、緑茶や一般的な健康茶と比較するとクセが無く優しい味になっています。ノンカフェインなのでお子様からご高齢の方まで幅広く飲んで頂けます。ざら茶は、むくみをとる効果もあるんですよ。

一はじめたきっかけはなんですか?

初めは店を継ぐつもりは全く無く、就職してマーケティングの仕事をしてました。2014年、父が大病を患い余命わずかと知った時、改めて「自分には何が出来るか」をじっくり考えました。家族と過ごす時間よりも仕事に大半の時間とパワーを費やす状態を父は快く思わないだろうと思い、家族と向き合える時間を持ちたいと考えました。「家族と過ごす、本当の意味での豊かな生活」を考え、祖父母のいる津和野町へ孫ターンして店を継ぐ事にしました。昔の津和野町が賑わっていた頃に比べると店舗の売上も厳しくなっていたので、祖父母としては不安もあったと思います。でも父の故郷・津和野への強い思いと日本茶の市場可能性、特に主人の出身地でもあるフランスでの日本茶や<ざら茶>販売も考えて、事業継承の決心がつきました。

一一番大切にしていることはなんですか?

「昔ながらの味」の伝統を守ることですね。ざら茶はたくさんの健康効果があるのに、健康茶特有のクセがなく、優しい味です。津和野町では藩政時代から飲まれてきました。お茶は育て方、焙煎具合によって大きく味が異なるため、香ばしさや甘みのバランスを大切にしています。昔から飲んで下さっている方にも、変わらぬなつかしい味をお届けできるようにざら茶の風味を受け継ぎたいです。

一今後の目標を教えてください

このお茶を知らない、まだ飲んだことがないけれども必要とする人に届けたいです。ざら茶は、高血圧・体脂肪の吸収抑制、むくみをとる効果等があり、健康と美容の両面で注目されているノンカフェインの健康茶です。妊産婦さんをはじめ、多くの人たちにまずはこのお茶の存在を知って頂き、飲んで頂きたいです。昨年からインターネットでも販売しているので幅広いエリア・世代にざら茶をお届けしたいです。

編集後記

橋本 渉 (はしもと わたる) 19歳
上領茶舗さんのインタビューをさせていただきました。津和野の伝統的なお茶「ざら茶」。昔から何十年も受け継がれてきたものを次の世代に残していく大切さを実感しました。津和野町は生活するのにすごく素敵な町だったので、この町をぜひいろんな人に知ってもらいたいです。

-コーディネーター紹介-

島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター