目の前のことより、未来のことを考える

島根県津和野町

はら かずひろ

原 和弘

愛知県名古屋市出身。高校卒業後、埼玉県の大学に進学する。大学休学時に、日本で数少ない津和野町の"自伐型林業"の存在を知り、大学を卒業した後、地域おこし協力隊として"自伐型林業"の実践している。

一どんな活動をしていますか?

僕たちは、町内の山林をフィールドとし、間伐施業に必要な作業道作りを行っています。大型機械を導入し、大規模な施業を行う現行林業ではなく、小さな機械を使い「壊れない作業道作り」を学び、そして実践し山林を中長期にわたって管理していくことを目指して活動しています。
これが地域おこし協力隊自伐型林業チーム「津和野ヤモリーズ」の主な活動です。

一はじめたきっかけはなんですか?

最初、名古屋から埼玉の大学に行ったのは、より大きい都市である東京に近づきたかったからです。その大学生活時代、都会で暮らしながら自分は都会の生活に向いていないなって気づいたんです。
"自伐型林業"を知ったきっかけは、大学休学中に友人が津和野町で"自伐型林業"をしていて、津和野町に遊びに来た時です。将来的に自分には自分がやりたい明確な暮らし方(山の中で暮らしていくこと)があって、それを実現できる方法が"自伐型林業"だなって思ったんです。それに、自伐型林業は、すごくスケールの大きい作業ができるというところに惹かれました。100年後絶対に生きていないけど、100年後自分の山を持っていて、かつ自分の整備した山が残っていたら、すごく気持ちいいなって思ったんです。その自伐型林業のスケールの大きさに惹かれましたね。

一一番大切にしていることはなんですか?

やっぱり一番は、常に自分の命を落とさないように、安全に仕事をすることです。林業は非常に危険と隣り合わせな仕事で、安全を常に担保していないと、大きな怪我や死亡事故につながってしまいます。安全確認の過程を省略してしまえば、命に関わる事故につながります。僕たち"地域おこし協力隊"はまだ素人なので、頑張って仕事をしていても、正直まだ機械の分野で分からない部分も多いんです。自分はやれていると思っていても実はやれていなかったということがあるので、100%安全な方法はないんです。通常は3人に1人チームで作業をするのですが、複数人で一斉作業する時も、必ず2人以上で作業することにしています。なので、一番仕事において気をつけていることは、ひとつひとつ細かな作業でも確実にやっていくことです。ただ、それと同時に作業の効率化をしていくことも大切だと思っています。
また、僕がもう一つ大切だなと思っていることは、木を運び出すための作業道を、これから先もまた使える道になるよう作ることです。僕たちは、町内の山林をフィールドとし、間伐施業に必要な作業道作りを行っています。大型機械を導入し、大規模な施業を行う現行林業ではなく、小さな機械を使い「壊れない作業道作り」を学び、そして実践し山林を中長期にわたって管理していくことを目指して活動しています。
これが地域おこし協力隊自伐型林業チーム「津和野ヤモリーズ」の主な活動です。

一今後の目標を教えてください

自分の山を持つことですかね。自分の山だと、モチベーションもあがるじゃないですか。だから、今自分の山を持とうと思って動いています。また定住するために、"地域おこし協力隊"の期間が終わった後、自分の生活の糧をいかに得るかということです。また自分達のスタンスを維持したまま、津和野町に定住できる方法を探しています。
あと、僕ら"地域おこし協力隊"が定住することで、津和野町の人口が増えるので、結果的に津和野町のためにもなりますしね。
もうひとつ、将来的には自分で作ったログハウスに住むのもいいなと思っています。

編集後記

橋詰 美祈 (はしづめ みのり) 20歳
林業は労災が多いけど、林業のスケールの大きさに魅力を感じたという話がとても心に残りました。目の前のことより、先のことを考えて仕事をする、そんな仕事を自分もしたいなと思いました。

-コーディネーター紹介-

島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター