沢谷の文化継承

美郷

やまだ のぼる

山田昇

美郷町出身。広島で働いた後、美郷町に戻り郵便局で約40年間勤務をする。郵便局勤務と並行して家業の農業を手伝う。父が死んでからは引き継いで専業農家として現在に至る。現在は沢谷地区連合自治会文化体育部部長として、沢谷地区に貢献している。

一どんな活動をしていますか?

美郷町で農業を営んでおり、主に稲作と畜産をしております。私が行っている畜産は、母牛を飼育し、交配させて子牛を得てそれを販売しているので、一般的には繁殖農家と呼ばれております。自分が8〜9ヶ月育てた子牛を肥育農家が買い取り、大きくなるまで育てて肉牛として出荷されています。育てた子牛は松阪牛、神戸牛、近江牛などとして出荷されています。農家の朝はとても早く、仕事は全部一人でしているのでとても大変です。一人でできない仕事は息子もしくは沢谷地区の同業者に手伝ってもらっています。

一はじめたきっかけはなんですか?

代々農業をやっている家系に生まれ、先代から引き継いで現在に至ります。若い頃(昭和45〜51年の間)は広島に出て働いていましたが、特に理由もなく美郷町に戻ってからは郵便局で働くのと並行して、家業である農業を手伝っていました。先代が健康な時は手伝いをするだけでよかったのですが、先代が亡くなってからは郵便局の仕事を継続しながらだと厳しくなったので、40年間続けた郵便局を辞めて現在は専業農家として働いています。人手が少ないので、先代のときと比べて規模を縮小してやっています。

一一番大切にしていることはなんですか?

沢谷地区で同じく農家をしている仲間を大切にしております。沢谷地区で繁殖農家は自分の他に一人しかおりません。その仲間は私のところと比べて大規模でやっており、私が一人でできない時は彼に手伝ってもらっています。そういうわけで困っている時は互いに協力し合っており、そのおかげで仕事が成り立っているので、とても感謝しています。

一今後の目標を教えてください

私は沢谷地域を元気にしたいと思っております。私は沢谷地区の連合自治会役員で文化体育部部長なので、沢谷がもっと盛り上がってくれそうな取り組みをしています。連合自治会ができたのは12年前で、できてからずっと文化体育部長をやっております。現在は文化体育部には17人が所属しており、多彩な交流による新しい出会いづくりと交流人口拡大のためにお祭りや体育大会などを開いたり、人口減少によって文化が途絶えることを懸念して文化の伝承のために和笛の講習会を開催したり、方言集の作成をしたりしています。世代によって使用する方言が異なっており、それを整理して後世に伝承したいと思っています。

編集後記

山本洸介(やまもと こうすけ)22歳
1996年4月生まれ。石川県白山市出身。地方創生に興味があり、大学では様々な地域の取り組みについて学んでおります。今回のまち冒険には、島根に行ったことがないという理由で参加しました。実際に現地の人と触れ合うことで、自分が抱いていた島根のイメージと実際のイメージにギャップがあると気づけました。現地の方々の「地域をなんとかしたい」と思う熱量が多く、活動的な部分が刺激になりました。沢谷地区の連合自治会の方々に温かく迎えて頂いたことは他の地域と比べて珍しく、とても貴重な経験ができました。次回は個人で伺いたいと思います。

-コーディネーター紹介-

島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター