世代を超えたコミュニケーションづくり

美郷町

はたの やすひろ

波多野 康博

今まで70年の人生を美郷町で過ごす。高校卒業後は旧邑智町役場(現在の美郷町役場)に勤務。退職後に福祉関係の仕事に数年間携わり、現在は美郷町議会議員として、また浜原地域の連合自治会長として活躍中。地域を案内してくださる中で、住民と会うたびに世間話をしていくことからも、地域からの信頼の厚さが見て取れる。

一どんな活動をしていますか?

町の執行部が出した提案の審議をするのが主な仕事です。また住民の声をもとに、様々な提案を行ったこともありましたが、昔のように全てがうまくいくわけではありません。町の執行部と議会は持ちつ持たれつの関係です。役場の職員としての経歴も長かったので、内部のことも分かっており、役場の職員が困るような提案や質問には察しがついてしまいます。9月までは議会があり忙しかったですね。10月になってからは少し余裕ができました。また連合自治会長としては、地区ごとの自治会長をさらにまとめることをしています。

一はじめたきっかけはなんですか?

高校時代は故郷を離れようとも思っていたのですが、一度離れると帰って来にくくなるのではないかという思いもあり、高校卒業後はたまたま募集していた町役場の職員になることにしました。58歳まで続けましたが、当時は若い人たちに職を譲る風潮があり、退職し、福祉関係の施設で働くことにしました。当時までは、もともと年齢のこともあり町議会議員になるつもりはなかったのですが、補欠選挙となった際に、住民から議員になるように薦められてなりました。その後2期目の選挙でも当選したため、議員を続けています。連合自治会長も同じような経緯です。

一一番大切にしていることはなんですか?

地域の代表には、自分の力でなったのではなく、皆さんの力が一緒にあってこそなることができたということを常に思いながら活動しています。そんな皆さんと一緒に、活力ある美郷町を作っていこうと思っています。また、最近感じていることは、飲み会でも祭りでも何でも良いので、世代の枠を越えたコミュニケーションの場を増やすことが大切だということです。

一今後の目標を教えてください

議員の任期は約2年残っているので、それについては全うするつもりです。ただ、その後のことはまだ分かりません。40代や50代、もっと若い人に議員のなり手がいれば良いのですが、なかなかいないのが現状です。ただそんな中でも、議員を引き継ぐ人を探していきたいと思っています。また、地域おこし協力隊などを通して、知らない人ともつながることで、美郷町を盛り上げていきたいです。美郷町に来たいとなれば、いつでも歓迎です。ぜひ泊まりに来てください。

編集後記

堂前 晩成(どうまえ ばんせい) 23歳
今回の取材にあたって、波多野さんの車に乗せてもらいながら様々なところを見て回りました。軽トラックだったので他の乗客もおらず、文字通り密着して取材したことで、波多野さんの普段の生活から美郷町に対する思いまでを実感することができました。神楽や祭りの様子、ダムからの景色には感銘を受けましたが、私にとっては、取材をする中で、波多野さんが住民と何気なく声を掛け合っている姿を見て、これこそが美郷町を形作っているものの根幹なのではないかと思い、一番印象に残っています。最後になりましたが、波多野さんや美郷町にお住まいの皆さん、短い間でしたが本当にありがとうございました。また今度友人と一緒に訪れようと思いますので、その時はよろしくお願いします。

-コーディネーター紹介-

島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター