“ワクワク”するまちづくり

川本町

あかなきよし

赤穴清

川本高校出身の61歳。熊本県の大学で工学を学び、卒業後は隣町の役場職員として土木を担当。結婚を機に川本町へ。現在は川本町商工会の事務局長を務め、ワクワクするまちづくりを目指す。

一どんな活動をしていますか?

小規模事業者の経営指導や新たな事業展開のアドバイスをしています。ただ「補助金をあげます」っていう短絡的な補助事業ではなく、あくまで事業者は事業者の努力で営業展開していくので、商工会はそういった事業者さんの保証人となって金融機関から補助金を借りやすくするなど、営業展開しやすい環境作りをしています。
商工会も保証人となるからにはちゃんとした経営計画や経営指導をした上で、「この人なら絶対大丈夫!」っていうお墨付きをつけるわけですから、簡単にお金を貸すってことはできないんです。商工会が支援をしながら実績のある事業者さんには低利でお金を貸していく。あとは国のアドバイス制度っていうのがあって、国が補助金を出し、この事業者さんにこういった指導をしてくださいという専門家を派遣する制度がある。商工会はマネージメントもするけど、さらに詳しい指導が必要とされる場合にはその橋渡しをする役目にもなっています。

一はじめたきっかけはなんですか?

私は役場の職員だったんですよ、それも隣町の。たまたまね、家内と一緒になって家内はこっちだったから通勤してたんですよ。で、退職してどっか再就職しようかなって思っていた時に声掛けしてもらったんですよ。僕はどっちかっていうと工学部卒業なんで、畑違いなんですけどできますかねって話したらね、熱意があればできるって言われたんです。僕は飲み歩いたりするのが好きなんです。都会ならどこでもあるんだけど、田舎だと行くとこ決まってる。せめて、今日は焼き鳥にしようか、刺身にしようかって選べる店がほしいなと。実際今数件あるけど、今後これがなくなっちゃうってことも考えられる。好きなお店が残ってほしいっていう思いだね。とりあえず自分の好きなことを目指したかった。自分の好きなことから始めてこの町に行きたいなと思える店づくりをしたいという思いから始めました。

一一番大切にしていることはなんですか?

事業者との信頼関係を築くこと。やっぱり自分のとこの財布がこんな状態なんだ、自分のとこ今景気悪いんですよなんて話は個人の間でもなかなかできないよ。これはもう信用商売だね。いかに事業主さんと密接な関係を築き、信用してもらえるか。こうしてしっかりした経営ができるように時には厳しい指導も行って勉強してもらったりする。町を歩いてお店を周り、今日の売り上げはどう?とか世間話をすることで、密接な関係を築いています。

一今後の目標を教えてください

一つは事業承継ですね。後継ぎさんがいないところは見つけてあげないといけない。第三者とか全く他人でもね。とにかく、事業承継に向けての取り組みだね。
そして空き店舗対策。なんだかんだでシャッターを開けさせる方法を考えたい。まあこれは事業承継とか起業とかにも入ってくるんだけどね。町外から空き店舗を利用して起業してもらう。そのためにはまずワクワクドキドキする町にしてあげないといけない。ここって結構路地がいっぱいあるんです。この路地を何かしたら面白いんじゃないかなぁ。なんとか通りなんとか路地っていう昔からの名前があるんですよ。そういったネーミングをしながら、そこに空いてる店舗にちっちゃい店でもいいし立ち飲み屋でもいい。なんかそういう感じでハシゴで歩けるようなまちづくり、店づくりっていうのは面白いんじゃないかな。それをアピールするためには、ここにいる人間が「こんな町にしたいんです!」ってアピールすれば町外から起業する人の中にも「あ!こんなところで何かやってみたかった!」って人もいるかもしれない。なんかこういうアピールをしないといけないので、ワクワクドキドキさせるアピールの仕方っていうのを協力隊の力を借りてやりたいなって。
もう一つは三江線っていうJRが走ってたんだけど今年3月で閉じちゃったんだよね。この弓市っていう町の中にある三江線の土地や施設は全部JRさんからもらったんだよ。この施設を何か活性化に向けての起爆剤として利用できないかということで、三江線の跡地利用っていうのを今目指している。列車がなくなってもバスの発着場っていうのがJRの駅になっていているんですよ。結構あちこちのバスが集まって、また散らばっていくんです。いわゆる川本町の玄関口であり、乗り継ぎ場所なんですよ。人が集まるところだから、集まるところを再開発したい。建物整備などをしながら活性化に向けてのきっかけづくりをしていきたい。
そしてこれからはただ店を開けてるだけじゃだめなんだよね。いかに情報発信していくかが重要。行ってみたいっていう気持ちを持たせる店。そういう情報発信ができる事業主さんでなければいけないと思うんだよね。自分がワクワクして面白いって思える店を作ったんだから、その面白さやワクワク感をどうやって上手に伝えるかっていうテクニック。行ったけど同じものがなかったは一番ダメだけどね(笑)
あとは、自分が残したいなって思うものに対してなんの障害があるかなって考えて、そのハードルを一つずつ取っ払っていけば実現するのかなって。まちづくりっていうのはそんな感じかなと。ハードルをいかに早く見つけて取り除く方法を考えるか。そうすると町も変わってくる。あまり難しく考えず、ワクワク感、楽しもうって思わない限りまちづくりはできない。全部個人的な思いだけど(笑)よく活性化っていう言葉があるけど難しすぎる。ワクワク感のあるまちづくりって書いた方がわかりやすいよね。町の中にワクワク感があるから人が来る。なかったら来ないからね。そういうのがほしいなって。

編集後記

加藤さわね (かとうさわね) 21歳
ただシンプルに、ワクワク感。自分の思いにまっすぐで常に前向きな赤穴さんのこの町に対する熱い思いが伝わってきました。事業主もお客さんも、この町にいるみんなをワクワクさせる川本町になってほしいと思いました。川本町の未来は明るい!

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島根県

だいがくせいらいたー

大学生ライター