一どんな活動をしていますか?
今は、母が「ピュアもりた本店」で学生服を、僕は「ピュアもりた2」で主に衣料品、化粧品の販売と、クリーニングの取り次ぎ店をやっとる。もりたは歴代いろんな商売をしており、物心ついた頃は毛糸屋だった。
現在は、その時々のお客さんのニーズに応えてマルチに商売しとる。お客さんとの井戸端会議からヒントをもらうことも多く、できそうなことはどんどん挑戦するかな。東京からUターンで帰ってからは、美容師の資格を活かして、フェイスエステ、メイクも始めた。4年前から新規事業をとして「体のもみほぐし」も始めたんだけど、高齢者を中心に月に50人くらいは来てくれるようになった。
地域の活動としては、31の時に川本町を盛り上げようとよさこいチームを立ち上げた。地域の人を巻き込みながら頑張っとるよ。
一はじめたきっかけはなんですか?
高3の時に、兄が店を継がないって言ったから、じゃあ自分が継ぐんだなって決めた。大阪や東京に出たのも、元々Uターンする前提だった。店で化粧品扱っとったから、美容系の資格取っておけば役立つかなって。都会で6年生活してみて、遊んだり働いたりするには便利かもしれんけど、住むとこじゃないなって感じて、都会の人間関係は、僕には合わなかったかな。
一一番大切にしていることはなんですか?
人との関わり。都会で働いてた時も、もちろんお客さんとの関わりはあったけども、決して深くはないんよ。田舎の人間関係は、多少の煩わしさはあれど、やっぱり楽しいし心地いい。僕の場合、たまたま川本町に店があって、後継者が自分しかいないって状況だったから戻ってきただけだけども、ここで働くうちに地元愛が増してるね。よさこいも、実は自分から始めたんじゃなくて、近所のおじさまに言われて。それが今では自分に欠かせない活動になっとる。迷ったらなんでもやってみる。これが僕のモットーかな。
一今後の目標を教えてください
ここ最近、終活のお手伝いを始めたんよね。片付けが苦手で店内まで散らかっちゃってる知り合いのお年寄りのお店があって、片付けを手伝ったの。きれいになった店内を見たお客さんがすごく喜んでて。自分の店を知ってもらうきっかけにもなったんよ。こういう田舎で生き残るには、お客さんの共有って本当に大事。お客さんのニーズと店の未来、さらには川本町活性化のために、これからも色んなことに挑戦していきたいね。
編集後記
木村 みなみ (きむら みなみ) 22歳
緊張気味の私たちを一瞬で自然体にしてくださった森田さん。彼の人好きは全員納得。自分や家族のことについてはジョークを交えながら明るく話す森田さんも、弓市商店街や川本町の未来の話題になると口調が変わりました。地元愛が大きいゆえに、今この地域が直面している課題に対して楽観視できないようでした。地域を元気にしたいという思いから、後ろ向きなことを話す人にはお客さんでも注意するそう。川本町への熱意を感じながら、私自身も何度も自分の故郷を思い出しました。川本町のことだけでなく、どう生きるかについて考える機会を与えてくださった森田さんには、本当に感謝しています。余談ですが、本当に多趣味な森田さん。恋愛や占いの話でたくさん楽しませていただきました。