一どんな活動をされていますか?
観光協会会長として「みさとみちくさ日和」の体験型プログラムを通じ、観光のお客様だけでなく地域の人達にも美郷町の良い所を知ってもらう活動に取り組んでいます。
現在は県の教育委員会の委員として、また元・町の教育委員会委員長として、小学校、中学校の「ふるさと教育」に力をいれて、美郷町の歴史や良さを知ってもらい一度は美郷町を出ていく子どもたちの帰ってくるきっかけを作る活動にも取り組んでいます。
一今やっていることについての課題はなんですか?
町に高校が無くなったことで、小学校、中学校で行われている「ふるさと教育」が高校生に対しできなくなっていることです。高校生世代に感じて欲しい地域の良さや課題が伝えられないことに危機感を感じています。子どもたちが美郷町を出て外の環境を知ることは大切なのですが、子どもたちが将来帰りたいと思う環境づくりが難しいと感じています。
また、美郷町には地域の人たちがまだ気づいていない良さや、見いだせていない魅力があるはずで、それが発掘できておらず町外にもアピールできていないことにも課題を感じています。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
地域の人たちや子供たちが美郷町の良さを知ることで、町の魅力を強く外部に発信できるようになり交流人口、関係人口の拡大に繋げられると考えています。
また、子どもたちの郷土に対する意識が強くなることによって、一度は町を出たとしても町へ戻る意識が生まれ、将来、新たな事業を起こそうとする人が生まれることを期待しています。
新しい技術を活用した起業やIT農業の活用、家業と新たな仕事を組み合わせて新たな事業を作り出すといった、商売や事業が成り立つような土壌ができれば、子どもたちの世代が町外に出たとしても、より帰ってきやすくなるのではないかと考えています。
一今後の目標はなんですか?
美郷町は地縁の強い地域だと思っています。地縁の強さは子育てを支援しやすいコミュニティをつくりだしています。このような地縁の強さを生かし、地域一丸となって美郷町の魅力を発信していければと思います。ただ、美郷町のことを知らない、魅力に気づいていない状況では、外に向けての発信は弱いままですし、地域の人たちの思いも弱くなってしまうと思います。
まずは、地域の人にも美郷町のことをより深く知ってもらいたいです。未だ発掘されていない良さ、魅力に気づくことで、美郷町への思いが強くなり、それが美郷町に対する誇りに繋がってくれればと思っています。
また、町外の人たちにも、外から見た美郷町の魅力も発掘してもえればと思っています。バリ島との交流や、日本語学校、労働力、インバウンドの可能性も含め、外国人の方の関わりも考えていかなければならないと思っていますので、現町長の施策である交流人口、関係人口の拡大の為の町外との関りを増やす活動にも期待しています。
編集後記
林さんにインタビューをさせていただき感じたのは、林さんの未来を担う子どもたちへの強い思いでした。ご自身が一度美郷町を離れたからこそ抱いた郷土への思いを子供たちにも継承したい、美郷町の魅力を知って欲しいという思いでした。地域の人が気づいていない美郷町の魅力を発掘したいという思いも伺うことができ、我々の活動がその一助になれればと思い、一層決意が高まりました。