一どんな活動をされていますか?
君谷地区にある枦谷で農家をしています。
季節によって、メロンやスイカ、里芋、サツマイモ、ジャガイモ、玉ねぎ等を育てています。夫婦ですべて手作業で行っているので大変ですが、近所の方が手伝ってくれたり、休日には息子が帰ってきて手伝ってくれたりするので、なんとかやれています。
鳥獣被害もあるので、猿除け、カラス除けのネットも自身で作り、対策を行っていますが、防御柵を作るのは大変です。その他、1haの田んぼと牛の飼育をしています。
牛の飼育に関しても、農協で授精師をやっていた経験を活かし、仔牛の分娩からすべて自身でやっております。今でも近所の方から分娩時に呼ばれることもあります。
一今やっていることについての課題はなんですか?
島根県の農業は昔から米と牛が中心でしたが、今日転作による畑作も増えつつあります。美郷町においてももっと畑作の知識を習得と指導を受けて特産品づくりに努力しなければなりません。
また、人手不足を解消する前段階として、若者の定住希望者が農家として生活できる仕組みを地域として作っていく必要があると考えています。受け入れ態勢が重要です。
現状は、少子高齢化が進む中で、面積消化する作物を育てることも難しく、新しい人が農家を始めても、育て方や作った作物をどこで売ればよいかも分からない状況です。農家の努力だけではどうにもならないので、町や県と一緒になって取り組んで行かなくてはならないと感じています。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
「専業農家として充分やっていける」と思います。
現在は、兼業農家として生活している人が大半で、私も年金があるからなんとかなっています。
専業農家として活躍できる環境が整えば、美郷町に残る後継者が増えたり、町外から若者が農業にチャレンジする機会も増えると思います。
また、高齢者が増える中では、病院への移動手段、独居人の見回りにも課題感があります。現在は、近所の人で助け合っているので成り立っているけれど、今後は一層厳しくなってくると考えます。その辺りにも最新技術を活用する機会があるかもしれません。
一今後の目標はなんですか?
今の高齢者でも「生きがい」を持てる農業が出来るようにしていきたいと考えています。
昔の農業のやり方は知っていても、現在のやり方を知らない方が多いため、高齢者の活力にもなると考え、栽培指導員を配置するように訴えてきました。言い続けた甲斐もあって、やっと、栽培指導会が開催されることとなりました。
集落の方が集まって話し合う機会も減ってきているので、高齢者の方も寂しいと思います。農業のアドバイス等、話し合える場があれば活気がついてくると思いますので、そういった機会を多く設けていきたいと考えております。
編集後記
梅田さんとのインタビューの最後に一冊のノートを見せて頂きました。そのノートのタイトルは、「君谷の夢をみんなで見つけよう」。君谷地域に関わる新聞の切抜きや情報を蓄積されたノートです。一人で出来ることには限界があるかもしれませんが、みんなで力を合わせることで切り開ける未来はあります。美郷町には地域の皆さんが助け合う文化が当たり前にある中で、地域の良さを大切にしつつ、将来の夢をともに見つけていきたいと感じました。