人として生活をするということ ~地域に根差したこれからのライフスタイルを考える~

鹿児島県薩摩川内市

ミゾグチイサム / タナカヒサシ

溝口 勇 / 田中 寿

溝口様と田中様は共に土木積算ソフトを開発されています。 溝口様は長く業務に携わっており、田中様は以前、東京でエンジニアをされておりましたが薩摩川内市に移り、その技術力を駆使して開発や生産性向上に貢献されております。

一どんな活動をされていますか?

土木積算ソフトウェア事業と、生コンクリート事業、それに環境事業の3本柱でやっています。

環境事業では、カラー舗装や、薩摩川内市と中越パルプ工業株式会社とタイアップして竹を使ったセルロースナノファイバー(竹CNF)活用事業などを行なっています。竹CNFに関しては、CO2削減を目的とした環境省の委託事業も行なっています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

土木積算ソフトウェアについては、土木積算を行う上で必要な単価やルールの改定が定期的に行われます。(国の単価の改定は4月、鹿児島県の単価の改定は10月)
県の土木積算には、国の単価やルールが違うところがありますので、改定のたびにデータの修正が必要になってきます。

また、国と県それぞれ違った形式のデータがあるため、データの更新に工数がかかります。土木積算に使用する単価には複数の種類があり、その一つを例に取っても、更新用データがExcelで400シートに上ります。これらの単価は、データ形式が変更になるとプログラムでの読み込みができなくなるため、プログラムの修正か手作業によるデータの更新などの工数が発生するという課題があります。

現在進んでいます次期土木積算ソフトウェアの開発では、使いやすい操作性を追求していこうと検討しています。

あとはシステムやデータをクラウド化したいと考えていますが、通信環境がADSLのため、現状でクラウド化したとしても通信速度が遅く社内からデータの授受がタイムリーに行えず適用できない状況にあります。また、テレビ会議を自社事業所で行えないため、公衆無線LANのエリアにある公共施設まで移動しなければなりません。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

通信インフラが整備されてクラウド環境が利用できるようになれば、土木積算で利用するシステムやデータを社内外からタイムリーに活用できるようになるため、個人情報を持たない積算のデータの中から、汎用性のある業務を切り出すことで、在宅業務でも扱えるようになるのではないかと考えています。

例えば、結婚や介護などのために退職された方が、在宅でこれらの業務をやれるようになるのではないかと考えています。そういった方々が業務に興味をお持ちになれば、入社していただくこともできると考えています。

一今後の目標はなんですか?

積算ソフトウェアの開発・運用環境の構築を進めていきます。その中で動画を活用した積算ソフトの取扱説明書や入門書のような情報提供ができればと考えています。また、同じ地域で共通で抱えている課題を一緒に解決に向けて考えていきたいです。

働く人のライフビジョンについても実現できる仕組みを造れたらと思っています。都会では深夜まで仕事をするといったこともあるかもしれませんが、当社なら17時過ぎに帰れます。

田舎で生活することの良いところも悪いところも詳細に発信をして、会社に興味を持っていただいた方達と会話をして、ライフビジョンを持って働いてもらえるようにしたいと思っています。

編集後記

開発された土木積算ソフトは地域のことを考えて作られたものと伺いましたが、取材をさせていただいた皆様は仕事もプライベートもすべてを含めて地域密着という考え方をされていました。
薩摩川内市への地域愛と仕事への情熱を肌で感じることができました。

-コーディネーター紹介-

ID 鹿児島県薩摩川内市・北海道仁木町・福島県矢祭町

あさい まさし

浅井 将史

千葉県出身、1982年生まれ。
2012年 株式会社VSNへ入社し、ITエンジニアとして就業しながらVI活動を推進。
2019年 地方創生に興味を持っていたところ、社内で地方創生VIのプロジェクトが発足されたことを知り鹿児島県薩摩川内市チームとして参加。
薩摩川内市の経験を活かし、2020年から北海道仁木町チーム、2021年から福島県矢祭町チームとして参加。