一どんな活動をしていますか?
鉾田市内で、家族と一緒に農業を営んでおり、主にベビーリーフとチンゲン菜を生産しています。
元々隣町出身で、実家は農家でしたが私自身は精密加工の会社で12年会社員をやっていました。会社員として長く働いていく中で気が付くと楽しさを見出せなくなっており、そんな中で妻の実家が農地を貸していた背景もあって、思い切って農家への転職に踏み切りました。
3年の間、知り合いの農園で従業員として農業の修業をしました。その後独立しましたが、最初はとにかく大変なことの連続でしたね。会社員時代とは違い、責任は自分で全て持ち、自分で全てのやり方を考えないといけません。
現在は、独立後5年あまりが経過し、JGAP(農業版ISO)を取得することで、工程管理・食品安全・環境保全・労働安全を守り、消費者の皆様が安心して食べられるような野菜づくりに取り組んでいます。
一今やっていることについての課題はなんですか?
農業は自然との闘いです。大体は感覚を掴めてきていますが、今でもむずかしいと感じています。また、ベビーリーフとして5、6種類の品種を生産していますが、経営で考えたときにハウスの回転率などを意識して、すべて同じ生育速度となるものを植える必要があります。またチンゲン菜も天候や病気による被害からのリスク分散のために始めたのがきっかけです。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
これまでの農業で得た経験や勘をITによりデータとして残すことが出来たら、温度や水やりなどの判断の裏付けが出来るかもしません。しかし、実際にはデータで裏付けを行うのはとても難しいと考えています。水はけは土地によって全く異なります、天気は気象情報だけでなく、実際に外に出て空を見て判断を行っています。カメラを通した画像ではだめです。農業は野菜に目が行き届くことが何よりも大事なんです。
一今後の目標を教えてください
農業としてハウスの規模を増やしていき、生産効率も上げていきたいと思っていますが、たまに出来ばえを見て廃棄するか葛藤し悩むことがあります。見た目がわるいものは出荷したくはありませんので、自分がより納得のいく野菜を引き続き生産していきたいと思っています。
編集後記
高野さんは、オシャレなつなぎがとても似合っており、常に優しい笑顔でインタビューに対応して頂きました。JGAPを取得されていたり、直接販売先と契約していることもあり、品質へのこだわりを強く感じました。高野さんのような方々が作り出す鉾田市の日本一の野菜は、安心・安全で美味しいということをもっと多くの人に知って頂きたいと取材を通して感じました。