一どんな活動をされていますか?
大手メーカーに勤務し、「スマートシティ」に関わる新事業企画を行う一方で、中小企業診断士の資格を活かして、南伊豆応援隊として町の経済活性化や地方創生のご支援を首都圏から行っています。
2017年に南伊豆町商工会の木下さんからのお誘いを受け、中小機構の方と3名で活動を開始。2018年には「南伊豆町地域診断事業」を実施。首都圏の中小企業診断士の資格を持つ有志を募り、町長や、役場の方、町内の事業者の方にヒアリングを行いました。
ヒアリング結果を受けて、町の特産や観光スポットを首都圏にいるファンへ届ける活動や、中小企業の経営支援等を行い、2019年7月に「南伊豆町経済の活性化等に関する協定」を締結しています。
主な活動としては、イベントやワークショップのファシリテーション、産業振興計画作成のお手伝いを行ってきました。
私自身、長野県の田んぼや畑に囲まれた町で育ち、いつか地方や地域を元気にしたいという想いを持っていました。そこで、大学時代にたびたび訪れていた南伊豆町を活性化するという企画を耳にし、立ち上がったという経緯ですね!
一今やっていることについての課題はなんですか?
現在はコロナ禍で南伊豆町に行けていないので、他地域で行っている取り組みを収集し、Facebookに投稿するなどして町の方々に情報共有をしていますが、やはり町の活動を積極的に後押しすべく、現地には行きたいですね。
直接会って住民の声や悩みを聴けないので、行きたい気持ちと行けない気持ちでモヤモヤします。人脈を使って“人”と“人”とを繋ぐ事も行っているため、話を聴いて何か面白いアイデアがあれば、外部の方を紹介することもあります。
南伊豆町は伊豆半島の先端にあり、交通や人口減少、少子高齢化等様々な課題を抱えてはいますが、他地域と見比べても突き抜けている課題があるが故に、住民の皆さんも認識しており危機感も感じているのではないでしょうか。
そういった中で、地域の目指すべき方向性をきちんと合わせて、外部の力をうまく巻き込んでいけるとより良い地域になっていくと思います。
住民の皆さんが日常的に触れている風景も、実は観光や移住で来た方には感動を生むなど、魅力はたくさん埋もれているので、その良いイメージを同じように外の人に対しても体感できるような発信力を強める事も課題の一つとしてあると思います。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
隣の下田市をはじめ伊豆半島では「ワーケーション」の取組を進めており、ITを活用して働く場所は増えてきていると思います。南伊豆町もゴルフ場でワーケーションができる環境の整備などもしているので、IT拠点として場所を構えて企業誘致をアピールするといった事もできると思います。
ブランドイメージができれば注目も集めやすくなり、人も自然と集まってくる可能性は秘めている場所だと感じています。そういった意味でも課題で挙げた外に対しての発信力という部分でITは使えると思います。
ただ、ITを使って地域をよくするのはアイデアの一つとして面白いと思いますが、どちらかというと働き口があることが重要になってきます。その地域に住みながら何かしら収入を得られる手立てがあり、生活できる環境が整っている事が大事ですよね。
一今後の目標はなんですか?
あえて目標は掲げていませんでしたが、、、笑
実際この活動を通して様々な経験ができ、自分自身の成長にもつながったと思っているので、今後も住民の方や移住してくる方、事業を始める方など皆さんがやりたい事をやれるように支援すること、“人”と“人”とを繋いでいくことをライフワークとしてやっていきたいですね。
住民の方から「本当は〇〇をやりたいんだよね」という本音を聴き出し、サポートして実際に動き始めたときが本当に楽しいと思える事なので、課題を抱えている地域を住民の方と一緒になって良くしていくような、南伊豆応援隊を続けていく事ですね。
住民の方が自ら課題に取り組む事が本当の町おこしに繋がると思っているので、今後も楽しみながらサポートしていきたいと思います。
編集後記
経歴をFacebookで見て怖気づいていましたが、オンラインで初対面にも関わらず、画面越しでも物腰がとても柔らかく、話しやすい雰囲気を醸し出す土屋さんの人柄を実感することができ、とても安心しました。
実際に南伊豆町には住んでいない中小企業診断士として、外からの目線で南伊豆町の現状や課題、未来を教えていただき、土屋さんご自身のライフワークとして地域をサポートするという熱い思いがビシビシと伝わってきました。
今後地方創生VIとの絡みがとても楽しみになりましたね!