一管理課はどのようなお仕事ですか?
大学では現在、リカレント教育を実施しています。こちらは文科省から採択されたプログラムで、コロナ禍でも元気な企業の方を講師としてお招きして講義を行い、就職支援まで行っています。すでに1コースは終わったのですが、参加者の中には人が変わったかのように大きく変化した人がいました。これから行うコースでは30人の定員に対して60人の応募があり、大変好評をいただいています。
また地域と大学との窓口も担っています。
大学と地域との取組としては、スタジオ(ゼミ)生が4つの地域コースを案内し、地域の魅力の発信をしたり、熊取フードバンクへの学生ボランティア参加があります。こちらでは留学生の参加が多く、地域の方から「君ベトナム出身なの?私行ったことあるよ」「私も中国語話せるよ」と声をかけてもらえるようで、学生もやりがいを感じてくれています。
さらには学内のITインフラの対応も行っています。コロナ禍でオンライン授業に切り替えた際、授業に関しては教員ですが、出席していない学生へのフォローは職員で行いました。学内のパソコン関連のトラブルにも対応しています。
一今やっていることについての課題はなんですか?
一つは学内のIT化ですね。今でこそ対面授業が増えましたが、オンライン授業ばかりの頃は学生との接点がほとんどない上に、留学生が多いので言語による難しさがありました。学生へのメールは、学生が見ないことも多く、結局電話での連絡になったりしていました。
また、業務としては、現状では紙のほうが見やすいこともあり、中々資料の電子化が進んでいない状況です。
もう一つは新たな観光の形を模索することですね。地域の魅力を発信することも新しい観光の形の一つで、今までの観光に加え、人生を楽しむ力を養う新カリキュラムを検討中です。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
留学生が多い強みを活かして、帰省先の国からオンラインで観光ガイドなどができれば面白いですね。帰省した留学生と熊取町の住民をつなぎ、留学生が観光ガイドとして現地を案内したり、お土産や現地の品物を映して希望があれば送るような取り組みができれば、体が不自由な人でも楽しめる観光が実現できると思います。高齢者にはITに疎い方もいらっしゃるので、『テレビをつけるような感覚で現地とつながる』くらいに簡単にできればいいなと思います。
また、学生の動画作成スキルが非常に高く、それを活かす場を設けたいと考えています。学内で大学紹介の動画コンテストを行ったのですが、そこに応募された動画はそのまま広報に利用出来そうなくらいクオリティが高かったんです。私たちなら外注するようなものを学生たちはスマホ1つで作ってしまうんですよね。見たときに感動してしまいました。学生が作ったものをホームページに上げたり、学生記者クラブを作ったりと、彼らの強みを活かす場を増やしていきたいと考えています。
一今後の目標はなんですか?
学生間の交流、地域と学生との交流を増やしていきたいですね。学生間で使わなくなったものや要らなくなったものを譲り合うことで、「モノから始まる人とのつながり」が増えていけばいいなと思います。そこから地域へ発展して、地域住民とのシェアリングができればいいですね。ジモティーやSmiileというサービスのようなものがあれば、モノのシェアからお互いに助け合う文化ができるのではないかと思います。
また、先にお話ししたオンライン観光ガイドの実現のために卒業生の力を借りたいと思っています。今までは同窓会活動が活発でなかったのですが、卒業生との繋がりを継続できるようなシステム環境構築やイベントの場を提供していきたいですね。
編集後記
旅行が好きな方や外国語を話すのが好きな方が集まっている関西空港から近い大学です。
パソコンを持たなくてもスマートフォン1つで素晴らしい動画を作成している点や、留学生が地域住民の方とボランティアを通じて接点をもっている点がとても素晴らしいと感じました。その一方で留学生の就業率が厳しい点があり、ITの力をもっと学んでいただき実践できる場が増えれば、翻訳できる力とITのスキルを身に着けて就業率向上に役立てることができると思います。