仁木町の「人」のために動くことが自分たちの使命

北海道仁木町

ふくはら とよゆき / いのまた まいこ

福原 豊之 / 猪股 麻衣子

福原 豊之(ふくはら とよゆき)さん
神戸で生まれ育ち50年ほど住む。その後北海道登別に8年ほど赴任。そして今年7月1日に仁木町へ地域おこし協力隊として観光協会事務局長に就任。

猪股 麻衣子(いのまた まいこ)さん
生まれも育ちも仁木町で観光協会に10年以上所属。現在、一般社団法人化後も会員さんとの連携を続けており、企画・立案・イベントの実施などの活動をしている。

一どんな活動をされていますか?

[福原さん]
今年の7月に観光協会の事務局長に就任しました。現在は私含めて4人のメンバーと2020年4月1日に観光協会を法人化し、会員のためにどのように稼いでいくかをミッションに活動しています。私はまだ赴任して間もないため町民と接点を作り始めているところです。

[猪股さん]
仁木町の観光協会で10年以上勤めていてチーフを担当しています。主な仕事として観光協会の会員の方々や地域の皆さんのためにイベントなどを企画し実施をさせて貰っています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

[福原さん]
現在、仁木町は滞在型の観光地ではなく通過型の観光地です。しかし、現在建設中の高規格道路が今後ニセコまで伸びるとより一層、滞在型としての観光地として盛り上げていく事が難しくなると危惧されています。
業務では多方面から観光協会に依頼があるため私がマネジメントをしメンバーがプランニングに注力できるように進めています。

[猪股さん]
またどこの観光協会も似ていると思いますが、財政面で8〜9割が補助金で賄っています。そのため今ある人員だけでどう収益を上げていくか、補助金の割合を減らしていくかが大きな課題です。
例えば今では経費を使わないように自分たちでイベントのポスターやチラシなどを作成して、補助金を下げるように努力しています。

今年の春先にコロナ禍で果物フェアを開催した際には1日最大1300人も来場してくださり、忙しすぎて1ヶ月ほど通常業務に手が回らない状況に陥りました。イベントとしては大成功な面もありましたが自分たち含めて農家さんにも相当負担をかけてしまったため、今の観光協会の体制でやるには無理がありました。また緊急事態宣言下で直前に中止になってしまったイベントなどもあり、緊急時や想定外の事が起きてしまった際に、地域の方々とどのように連携して動けばいいのか、とても難しく感じています。今後はより役場の方々と連携して緊急事態の際にはどうしていくかを日頃から話し合っていく必要があると思っています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

[福原さん]
仁木町には観光資源があるため、滞在型の観光地にするためには宿泊施設、飲食店や二次交通(レンタルサイクルやレンタカーなど)を増やしていければ仁木町に来た人も楽に観光できるのではないかと思っています。
また私たち観光協会がうまく企画実施できたイベントや事業を会員様や民間企業などと連携できるようになると、今の少数精鋭の体制でも観光協会の仕事を回していけるのではないかと思っています。

[福原さん&猪股さん]
仁木も余市でもワインツーリズムなどをやっているので部分的な連携は出来ていますが、より広域で連携していく必要があると考えています。例えば北後志の方や、さらには北海道全体を巻き込むことが出来ると、より地域全体の魅力が掛け合わさって増していくと思います。そういった意味で、地域間の連携の強化という点も今後の大切な課題であると感じています。

一今後の目標はなんですか?

[福原さん]
収益をあげることがミッションなのですが、そのために一般社団法人として新しい観光協会の存在感を高めていかなければならないです。役場も会員さんにもミッションについての理解を得るためにもっと意識改革を図っていこうと思います。
私は仁木の農作物を作った人、生産者の「想い」が1番大切だと感じています。その「想い」を広めるために活動していくべきだと思います。そしてスーパーで「仁木町産」という文字に目がいくようになり、テレビで「仁木町」という音が聞こえたら振り向くようになるなど何かしらの繋がりを作ること。それが関係人口の構築に繋がっていくと思っています。

「猪股さん]
会員さんのために何ができるかアイデア出し続け実行していくことは変わらないです。会員の農家さんともいい関係性を作り続けていくため、例えば直売している農家さんの邪魔をしないように果物の加工品やトマトジュースの飲み比べセット(同じアイコという品種でも味が違うため)などを思案中です。

編集後記

観光にも力を入れている仁木町、その基盤を支えているお仕事のお話を聞けてとても勉強になりました。インタビュー内容も書ききれないほど、大小の課題を拾ったり、改善策を模索、実行しており、今回のインタビューだけでは全く足りないほど広い領域で活動していることがわかりました。

-コーディネーター紹介-

ID 北海道仁木町

いとう たかひと

伊藤 貴人

東京都生まれ、東京都育ち。幼少期から大学時代までサッカーをしていて、中学、高校とクラブチームで二度の全国大会を経験。現在の趣味はゴルフ。大学卒業後はSIerに入社し、名古屋で自動車メーカーのシステム開発に従事。2018年に株式会社VSN(現Modis)入社。現在Web系のプロジェクトにて社内システム、サイトの作成、運用・保守などを担当。大学時代のゼミで地方創生について研究、社会人になりゼミでの活動を活かせないかと思い地方創生VI、北海道仁木町チームへ参画。