一どんな活動をされていますか?
渡良瀬遊水地コウノトリ交流館で、コウノトリをはじめとした渡良瀬遊水地に関する情報発信やエコツーリズムの推進、地域活性化に向けて取り組んでいます。以前転職活動中に小山市の地域おこし協力隊募集へ応募し、小山市に移住しました。地域おこし協力隊として、渡良瀬遊水地の観光地化推進事業に取り組み、3年の任期を終えて、地域おこし協力隊の時のご縁でNPO法人わたらせ未来基金の職員としてコウノトリ交流館に勤務しています。
渡良瀬遊水地は治水(増水した川の水を一時的に貯め洪水を防ぐ)と利水(水不足の際は首都圏の水がめとなる)という大事な役割があるのと同時に、ラムサール条約湿地であり、貴重な動植物を見ることができる自然の宝庫です。最近では絶滅危惧種であり、国の特別天然記念物であるコウノトリの野生繁殖が話題になっています。私自身小山市に移住するまで渡良瀬遊水地の存在を知りませんでしたが、都心の近くに自然の豊かな場所があることを知ってもらい、訪れてもらえたらと思い活動をしています。
一今やっていることについての課題はなんですか?
コウノトリのひなが孵化したときは、観光客も多く見学に県内県外から人がきますが、ピークアウトしてしまうと見学に来る人が減ってしまうため、一年間を通して人が来てもらえるようにすることが課題です。課題解決として、SNSを活用して情報発信をしたり、エコツアーなどを行っていますが、コロナ禍ということもあり、来られる方は近隣の方が多かったり、そもそもツアーの実施があまり出来ていないのが現状です。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
コウノトリ交流館を訪れる人はコウノトリを見たいという人が多いので、訪ねてきた人に今はこの辺りにいますよというお話が出来たらいいなと思います。現在も一般の方が写真や見かけた場所など投稿できるサイトがありますが、より簡単に渡良瀬遊水地周辺のコウノトリ情報を投稿・共有できるサイトなどがあれば、実際にここに行けばコウノトリが見られる!となり、県内だけでなく、県外の方にも興味を持ってもらえる機会が増えると思います。小山市の小学生は社会科見学で渡良瀬遊水地を訪れることが多いのですが、少しずつ認知が広がることで市外県外の学校からも訪問する候補地になったらいいなと思います。
一今後の目標はなんですか?
これまで以上に魅力的な情報発信を心がけていくとともに、コウノトリのひなが誕生する時期以外にも定期的にコウノトリ交流館、渡良瀬遊水地を訪れたいと思う仕掛けを考えていきたいです。渡良瀬遊水地の希少な動植物を専門スタッフと見学するツアーやカヤック体験、またヨシで編んで明かりで照らすヨシ灯りの展示、制作体験など。そしてコウノトリモチーフのおみやげなども鋭意開発中です。
近々、子育てを行う人工巣塔のライブ映像がインターネット上で見られるようになったり、2年振りに行われたヨシ焼き後の春の芽吹きが見られたりと、春は特に見どころがたくさんありますので、渡良瀬遊水地また渡良瀬遊水地コウノトリ交流館にたくさんの方に訪れて頂きたいです。
編集後記
伴瀬さんは大変チャレンジ精神を持った方だなと取材して感じました。面白いと思ったことに積極的に取り組んでおります。現在、渡良瀬遊水地コウノトリ交流館の管理をしていることは誰にでもできることではないと思いました。またプログラミングにも興味を持たれていて、ご自身で学習をしていたというお話を聞き、行動力がとても高い印象を持ちました。どんな業界でもやっていけるためには行動力が必要だということを伴瀬さんに教えてもらいました。