基本とクオリティーを大切にするはとむぎマイスター

栃木県小山市

まきた たいこ

牧田 泰子

株式会社 食・メディアの代表。小山市の特産品であるハト麦を使った商品の開発や販売を手がけられている。その他にも、料理研究家として料理教室を開催したり、佐野短期大学で講義を受け持ち若手の育成にも取り組んでいる。

一どんな活動をされていますか?

株式会社 食・メディアの代表をしております。料理研究家として、小山市をはじめ全国で調理教室や料理講習会の講師として登壇しています。食・メディアを立ち上げた際には、飲食店のメニュー開発や加工食品の商品開発を行い、主にはとむぎを使用した商品開発に注力しています。短大の非常勤講師として未来のフードコーディネータの育成にも取り組んでします。

もともと小山市出身ではありませんが、結婚を機に小山市に住むことになりました。自分のスキルを活かして、小山市でなにかできないかと考えていたときに市役所や知人からの紹介があって、料理教室の講師になったことが小山市と関わっていくことになったきっかけになります。今では、自分のスキルを多方面に活かしていこうと考えており、短大の授業やはとむぎの商品開発にも取り組んでいます。

一今やっていることについての課題はなんですか?

商品の販売力の強化です。一つの商品を販売するにあたって、多くの人が関わります。食品加工に関してはすべての工程を機械化することはできないので、どうしても人の力が必要になります。しかし、集まった人材は必ずしも最初からスキルを持った方とは限りません。限られた人材を教育し、成長させることが必要です。機械化できる部分ももちろんあると思います。人材に投資をするのか機械に投資をするのか、そこのバランスというのは手作り食品を作る上では非常に重要です。

また、扱っているのがはとむぎのような農作物なので、気候などによってその年の収穫量や品質などが変わってきます。あらゆる場面を想定して柔軟に対応していくことが大切であると感じています。よくビジョンを持って行動しましょうと言われますが、今のご時世コロナの影響で数年後の状況は誰にもわかりません。そのため、私は近い将来を考えて行動するようにしています。モノづくりにおいては、様々な要因が絡まってくるので、今あるやるべきことの目標を決め、それに向けて取り組む中で、その先に行うべきことが決まってくるので、次はその目標に向けて行動していくことを心がけています短期計画を中心に中長期計画を修正していきます。素早く意思決定し、素早く対応できるのは、小さい会社の利点だと思っています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

販売力を強化し、多くの人々に私たちの商品を手に取ってもらうことで、私たちの自信や実績に繋がります。様々な経験を得てスキルを磨くことで、さらなる商品開発に活かすことができると考えております。
また、はとむぎ商品が全国に広まることで、多くの消費者が健康で美しくなる可能性があることを信じています。
手作りの良さを残しつつITを活用した製造ラインや管理体制が強化されていくことになり、更に均一化された商品を大量に製造し販売することが可能になるとでしょう。今はまだ初歩段階ですが、土台がしっかりしていれば手作りのIT化も夢ではないと考えています。

一今後の目標はなんですか?

今ははとむぎの商品開発に注力して行っていますが、今後は挑戦できるものには積極的に挑戦していきたいと思っています。商品開発において大切なのは、「その商品が自分にしかできないもの」だと確信していること、その商品に経営者の考えや思いが注入されていることだと思っています。開発の過程においては、何人もの人が関わってくるので、そのような思いがないと、共感が得られず、いい商品はできないです。会社の外部の人だからこそいえることもありますし、お互いが本音で話せるからこそ、よりいいものが生み出せると思っています。私の開発したはとむぎ商品で皆様が健康で美しくなることが目標です。
また、私が経験したこと今教えている短大の学生をはじめ、多くの方に伝えていくことにも注力していきたいです。

編集後記

常に高いクオリティであることを意識しながらも、コストやデリバリとのバランスも大切にしており、プロフェッショナルとしても、経営者としても優れた方だなという印象を受けました。他にも大学で講義を持たれたり、男女問わず様々な人たちからの相談にも乗られたりと、幅広く活躍されておられますが、どの場面でも「基本」を大切にされているのがとても印象に残っております。どの世界でも基本は大切ですが、つい忘れがちになってしまいます。基本の大切さを再認識させていただきました。

-コーディネーター紹介-

ID 栃木県小山市

こうづき なおみつ

河月 直光

約30年、ソフトウェアエンジニアとして様々な製品開発に従事。健康維持のため、数年前にランニングを再開。地方創生VIの活動に参加したことがきっかけになり地域活動に目覚め、地元のプロギングイベントに毎月・毎週参加している。