食べ物で健康になる自給自足の村への第一歩

北海道仁木町

みやした しゅうへい / みやした ようこ

宮下 周平 / 宮下 洋子

宮下 周平 株式会社まほろば 代表取締役会長
宮下 洋子 株式会社まほろば自然農園 代表
より健康を促進する生命力ある野菜を作りたい、多くの方に自然食品の良さを知ってもらいたいという思いから生産から販売までを夫婦で運営、約40年間、自然食品の良さを多くの方に知ってもらえるよう創意工夫を持続しています。

一どんな活動をされていますか?

関西で、自然食品店を経営していましたが、夫が親の家業を継ぐために、一緒に北海道恵庭に帰郷しました。その後、
1983年、自然食品店「まほろば」を創業。
1991年、まほろば直営自然農園の開拓を始める。
2007年、農業生産法人(株)まほろば自然農園を設立。
2016年、夫婦で仁木に移住し、就農。

主人は引き続き、まほろばの代表取締役会長として働きつつ、自然農園でも働いてもらっています。研修生やボランティアさんも受け入れて(年間延べ1000人くらい)、にぎやかにやっています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

多くの人に自然食を食べて健康になってもらいたいを実現しながら、働いている人たちの生計もなりたたせるためには、安全性ばかりでなく、効率化も必要になります。
4町5反の広さの畑に100種類以上の野菜を作っていますから、機械化やデジタル化の必要性もありつつ、手作業も必要で、さらに永続可能な農業でもなければいけないので、そこら辺の兼ね合いを考えながら常に試行錯誤しています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

5G以上のIT化は、微生物を大切にする有機農法には害になると考えているので、賛成ではありませんが、既存のPCやスマホは計画段階から販売まで、最大限活用しています。
これ以上の規模の大型農業では、それは難しいかもしれませんが、それは、環境にも野菜にとっても良いことに思えないので、規模拡大は考えていません。

一今後の目標はなんですか?

みんなで分担し、自給自足で生活できる村を仁木町に作りたい。仁木町は果樹やミニトマトが主要な農産物になっていますから、これから食糧難が来るとしたら、なかなか食べ物の自給が難しくなります。その為にも安全な種類多くの野菜を作る農家も必要になると思います。今は、仁木町で野菜農家は、異端的な存在ですが、将来的に私たちが居てよかったと思ってもらえるような農家になりたいと思っています。

編集後記

夫婦で同じ目標に向かって活動していく姿にリスペクト。
自然食品を始めたきっかけは、洋子さんが学生時代にご家族が病気で苦労し、その時に自然食品が治癒してくれた体験であったことを知り、自然食品にかける思いや情熱の原点を教えてもらいました。昨今、様々な開発ラッシュで便利と引き換えに起こる環境問題、自然破壊など自然食品を提供していく宮下夫婦が追い求める世界と今の日本が追い求める世界のギャップを感じながらインタビューさせてもらいました。

-コーディネーター紹介-

ID 北海道仁木町、北海道東神楽町

やまかど あきひろ

山門 明弘

神奈川生まれ、神奈川育ち
1998年Adecco入社。入社前は約10年、旅行会社で勤務。
企業に対する提案営業、課題解決やBPO運営、新規事業立ち上げ(プロフェッショナル人材派遣、人事紹介部立ち上げ、無期雇用派遣促進、インサイドセールス立ち上げ)などを経験し、2020年より事業承継PJに参画し、事業承継、セカンドキャリア教育などの社会課題に着手、2021年から地方の課題に向き合い、社会課題解決に取り組んでいます。