農業✕テクノロジーで「若い世代がやりたい農業」の実現へ

北海道仁木町

ふじさわ やすし

藤澤 靖

藤澤 靖さん(40代)北海道仁木町銀山地区の水稲の生産者。

一どんな活動をしていますか?

おじいさんの代から今の銀山地区で水稲とイチゴを作っておりましたが、10年程前から水稲中心に切替え、当時2町だった田んぼも、今では後継者のいない農家から土地を購入したりお借りしたりしながら、21町にまで拡大しています。

農業には小さい頃から興味はありましたが、特に親からも継いで欲しいと言われたこともなかったので、若い頃は札幌で解体工事の仕事をしていました。実家の水稲農業は両親とおじいさん夫婦で行っていましたが、おじいさんが亡くなってしまったことで、実家の農業を手伝いたいと自分から思って仁木町に戻り、平成24年の9月から水稲農業に従事するようになりました。

さらに今年の10月には法人化も行い、大規模かつ広範囲で基盤整備に取り組み、銀山地区で積極的な農業経営の拡大を行っております。

一今やっていることについての課題はなんですか?

今は両親と自分の奥さんの4人で水稲を作っており、田植えや稲刈りの繁忙期には兄弟親戚にも手伝ってもらいながら仕事をしています。また、今は父親が健在ですので、日々の農作業に関する気付きなどがあれば、都度教えてもらいながら、仕事をする事が出来ています。

今後は、自分が人に教える立場となり、農業従事者の高齢化などの影響から人手不足が懸念されたりする中で、いかに効率的に、かつ限られた人手で農作業を続けられるようにしていくのかを考えていく事が課題としてあります。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

最近はトラクターの自動運転化なども進んでおり、ITなどの技術で農業のやり方を変えて行ける可能性は十分にあると思っています。例えば、今年から田んぼの水位や水温をスマートフォンで管理できる仕組みを取り入れましたが、実際に田んぼに行かなくても状況が確認出来るのは便利ですし、外気と田んぼの水温の上昇のタイミングに違いが出ているなどの新たな発見もありました。

自分が子どもの頃は「農業は汗水流して大変だけどお金にならない」といったイメージがありましたが、実際に自分でやってみると、消費者からの「美味しかった」「ここのお米以外は食べられない」といった嬉しい声に触れることでのやり甲斐や、まだまだ効率的に改善できる部分に対しての可能性もあるので、そういったイメージは全然変えて行けるのではないかと感じています。

一今後の目標を教えてください

これまでは、新しい技術や取り組みについて情報を得る機会があまりありませんでしたが、今の時代はSNSを使ったりすればいろんな農従事者と繋がれたり、情報を得ることが出来ます。

また、こんなことが出来れば良いなと思うこととして、例えば、肥料の散布を一定の区画に一定量、自動で出来るようにする、などちょっとしたアイディアも、実はそんなにコストを掛けずに実現出来たりする事が知れましたので、そういったテクノロジーも積極的に取り入れて行きたいと考えています。

編集後記

インタビュー後に早速、藤澤さんとはFacebookで友達申請をさせて頂きました(笑)。 自身初めてのインタビューで緊張しておりましたが、藤澤さんの朗らかな人柄にすぐに緊張が解れ、藤澤さんの生い立ちから農業を始めるに至ったきっかけまで、沢山の質問をさせて頂きました。
約1時間半のボイスメモを帰宅後に聞き返してみると、あらためて内容の濃いインタビューをさせて頂けたと感じる事が出来ました。
藤澤さんの水稲の生産者としての品質への拘りや、テクノロジーを取り入れた新たな農作業への取り組みなど、非常にチャレンジグなお話しを聞かせて貰えた事で、自分を始めチームメンバーからも、インタビュー中に様々なテクノロジー活用の意見交換をする事ができました。こういった、地域の方と一緒にワクワクするお話しをよりもっと多くしてみたいと強く感じた第1回目の取材でした。

-コーディネーター紹介-

ID 北海道仁木町

いがらし しゅんぺい

五十嵐 俊平

37歳、静岡県富士宮市生まれ。
2012年にModis(旧VSN)入社、来営業職として技術者派遣のセールスを担当。国内の大手システムインテグレーター、シンクタンク、通信キャリア企業を担当し、現在は営業マネージャーとして営業グループのマネジメントや、自社の課題解決サービスであるバリューチェーン・イノベーターのプロフェッショナル資格を保有しコンサルタントとしても活動。
趣味はサッカー。社会人チームでプレーする他、週末はジュニアチームのコーチとしても活動。