地域密着&高い視座で地域おこし

北海道仁木町

しまくら けんご / まえだ まさかつ

嶋倉 健悟 / 前田 将克

【嶋倉さん<左>】 北海道札幌市出身。北海道情報大学に入学し、在学中に2年間海外へ行ったり、東京でDJをするなど様々な経験をする。卒業後は札幌で就職したが北海道のために働きたいと思い始め、SNSで北海道を良くしたいという人達と出会い、情報を集める中で地域おこし協力隊に興味をもち今に至る。
【前田さん<右>】 兵庫県西宮市出身。19歳の時にランニングで日本一周をする。その後「北海道に恩返しをしたい」「走る楽しさを伝えたい」と思ったが、伝える力が足りないと思い大阪の営業会社に就職。日本一周の道中で出会った方から北海道の自治体へマラニックのプレゼンをする活動に誘われ、その過程で仁木町とつながり今に至る。

一どんな活動をしていますか?

[嶋倉さん]
地方の情報発信には課題があると感じていたので、仁木町では主にSNSを使って町の良さを伝えることをしています。仁木町には素晴らしい景色や果物狩りなど良さがたくさんあるものの、若い人はそれを知る機会がないと思っていました。

仁木町には若い人の働き手が少ないとも感じていたので、そういった部分も発信力を高めることで解決できないかと考えて活動しています。

[前田さん]
マラニック開催と空き家の活用を行っています。マラニックは、マラソンとピクニックを合わせた企画で、ピクニックに訪れているように景色を楽しみながら走ったり歩いたりします。タイムは争いません。

もともとマラニックはやりたいと思っていましたが、協力隊になってからマラニック以外の具体的なミッションを考える必要があり、町に足りないものを考えた時に空き家活用が浮かびました。

仁木町は移住者が多いこともあり、移住希望者・滞在者のための一時的な宿泊施設を作ろうと思い物件を取得してリフォームしました。それ以外にも仁木町にはお店を出すためのテナントがないという意見があり、物件を取得・リフォームするといった活動をしています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

[嶋倉さん]
現状もまだ発信力が強いとは言えないと思っています。農家さんでもHPを持っていらっしゃる方がいますが忙しかったり、使い方がよくわからないといった理由で更新が止まっていたりしています。

今はネット社会なので外部の人が調べた時に古い情報のみだと他のところに行ってしまうと思いますので、観光・就農どちらにおいても人を集める力が必要と感じています。

[前田さん]
求人の仕方に課題があると思います。私の知人にもいましたが、働きたいという方のなかには期間限定だったり週の半分を希望する方もいたりしますが、求人を求めている人達が情報にちゃんとアプローチできていないと考えています。

また、アパートが建設されるなど改善はされてきているものの移住者の方も増えているので空きがなくなったり、空き家が流動化していないと考えています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

[嶋倉さん]
プラットフォームを作って一元管理できれば農家さんの負担を軽減することができるのではないかと考えています。

また、就農希望の方は農家さんがどんなことをやっているのかわからず不安もあると思っています。農家さん自身がSNSを使った情報を発信したり、求人情報に動画を加えるなどで仕事の見える化をすれば不安が払しょくでき人が集まりやすくなるのではないかと考えています。

[前田さん]
仁木町で一時的に住むところを手頃な値段で借りることができれば、オフィスワーカーでも農家でも仁木町の暮らし体験を通じて仁木町で仕事をしたい・住みたいと思う方達が増えていき町の活性化につながると考えています。

また、仁木町は昔から農業の町と言われていますが、農業以外の、例えば飲食業をやりたいという方達が増えることも大切だと考えています。

一今後の目標はなんですか?

[嶋倉さん]
外部の方が検索をした時に情報があることが重要だと考えていますので、農家さん向けにSNS講座を開いたり、農業アルバイトの方達に情報発信をしてもらう仕組みを作れたら良いと考えています。

また、農家さんか仁木町か、どちらに焦点を当てるかは決まっていませんがPR用のショートムービーも作りたいと思っています。自分自身の情報発信としては影響力の強い“北海道“の情報発信をすることで私個人を介して仁木町に興味を持ってもらうという導線も作りたいと考えています。

[前田さん]
やりたいことは2つあります。1つ目は働き手が増えるような取り組みをしていきたいと考えています。これは、農業従事者以外にも色々な職業の方達が仁木町に住みたくなるような町づくりに取り組み活性化していきたいと考えています。

2つ目はこれからも継続して走ることを通して仁木町をPRしたいと思っており、コロナ禍ということもありますが落ち着いたら仁木町の人口を超えるような規模のイベントをしたいと思っています。ただ、規模にこだわるのではなく仁木町のファンになってもらえる人をたくさん作りたいと考えています。

編集後記

話をしている中で嶋倉さん・前田さんのお二人の非常に熱い気持ちが伝わってきました。また熱い気持ちだけでなく、嶋倉さんは俯瞰して町内外の両方からの取り組みを検討し、前田さんもイベントを通じた仁木町の認知度向上や居住環境作りをして魅力体感の機会を創出するなど、お二人とも仁木町発展に向けた実現的かつ効果的なアプローチを真剣に考えていることがわかりました。
前田さんは地域おこし協力隊を卒業されましたが引き続き活動を続けていかれるので、お二人の更なる活躍を考えると非常に楽しみです!

-コーディネーター紹介-

ID 鹿児島県薩摩川内市・北海道仁木町・福島県矢祭町

あさい まさし

浅井 将史

千葉県出身、1982年生まれ。
2012年 株式会社VSNへ入社し、ITエンジニアとして就業しながらVI活動を推進。
2019年 地方創生に興味を持っていたところ、社内で地方創生VIのプロジェクトが発足されたことを知り鹿児島県薩摩川内市チームとして参加。
薩摩川内市の経験を活かし、2020年から北海道仁木町チーム、2021年から福島県矢祭町チームとして参加。