矢板の皆さまからの「ありがとう」が原動力

栃木県矢板市

よこた ふみや

横田 文哉

栃木県那須塩原市出身。 2010年4月に栃木県商工会連合会に入社し、同年に矢板市商工会へ出向となり現在に至る。 矢板市観光協会の理事としても活動しており、矢板市の魅力を内外に伝えるべく、イベントの企画から運営に至るまで多岐に渡って、矢板市の地方創生に関わっている。

一どんな活動をされていますか?

矢板市商工会に所属していまして、経営改善普及事業(経済産業大臣が定める資格を持つ経営指導員による会社の経営相談や補助金申請などのサポート)と地域総合振興事業(お祭りなどのイベント)の2つが主な仕事です。

前者(経営改善普及事業)の最近の活動としては、矢板市の企業や個人事業主様からの経営相談が多く、開業の話は定年後のセカンドキャリアや若い人も増えてはいますが、今は圧倒的に廃業の話が多いですね。経営者の高齢化と後継者不足などで相談に来られる方の割合が高いです。

後者(地域総合振興事業)は、新型コロナの影響で最近は催事ができていないのですが、お祭りの企画、運営や出店などをやっていました。その他には、地元高等学校の協力連携のもと、老若男女に好まれる「あっぷるカレー」を道の駅やいたで販売しています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

新型コロナの影響でなかなか経営指導員の巡回訪問などができなかったのですが、オンライン化もなかなか進まずに困っています。商工会内の若手研修などはオンライン化できてはいるのですが、経営者は高齢者も多いのでオンライン会議についての理解が進まなかったのが現状です。

同じく、新型コロナの影響もあり、次から次へと新しい補助金や制度ができるなかで、私自身も情報の整理や理解が大変だったので、それを経営者の方々に理解していただくのは非常に大変だと感じました。

あとは、廃業も増えているので会員数を増やしていきたいという想いもあるのですが、商工会に入ってもらうメリットをどう上手く伝えれば良いのかというのも課題の一つです。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

そうですね、最近では国からの補助金や助成金なども電子申請が主流になってきているのですが、経営者(高齢者)の方からは、インターネットでの申請方法が全然分からないという声をよく聞きますので 、電子申請の勉強会やオンライン会議の勉強会を検討しています。そもそもITに慣れ親しんでもらうためにも、まずはスマホやタブレットの勉強会なども開催したいと考えています。

あとは、SNSなどのITをうまく活用して、商工会加入のメリットなどを幅広く経営者や個人事業主の方々に知ってもらいたいですね。今よりもっと会員数が増えて、さらに新型コロナが収束した暁には、大規模なイベントを開催して、もっともっと矢板を盛り上げていきたいと考えています。

一今後の目標はなんですか?

いつかの日経新聞で、首都圏のうち新設法人数増加率の一位が山梨県、最下位が栃木県というのを見てショックを受けました。
新型コロナで廃業が増えてきている現実がある一方で、私は矢板市から栃木県を盛り上げていきたいと考えているので、今後は「開業支援に注力したい」というのが目標の一つです。

あと、もともと那須塩原出身で矢板に興味はなく、仕事で来たのが初めてだったのですが、それでも仕事で矢板の人々と関わっていくうちに、矢板の人自体に魅力を感じ、その方々から感謝されるという素晴らしい経験したことで、今ではこの仕事にやりがいと使命感を持っています。
実は矢板市観光協会の理事もやっているので、矢板市には素晴らしい観光コンテンツがいくつもあることを知っています。
魅力的な人、場所、アクティビティがある矢板市のポテンシャルは計り知れないので、それを「一人でも多くの人に伝えること」がもう一つの目標です。

編集後記

横田さんは矢板市観光協会の理事でもあり、実はインタビュー記事になっていない部分でも、どうやって矢板市に観光客を呼び込むか。宇都宮市や那須塩原市の観光客の宿泊地になるようにしてはどうか。りんご以外に新たな名産品を生み出せないかなど、これからもっと矢板市を盛り上げたいという熱い想いをヒシヒシと感じました。
私たちの活動(地方創生VI)と横田さんの目指す理想の矢板市像(ビジョン)は同じだと確信したので、一緒に矢板市を生き生きとした魅力あふれる街にしていきたいです!

-コーディネーター紹介-

ID 栃木県矢板市

あきもと かずき

秋本 一樹

2005年4月に株式会社VSN(現:Modis株式会社)に新卒入社。
会社独自の現場派遣エンジニアによるコンサルティングサービス「バリューチェーン・イノベーター」の普及へ大きく寄与。そのスキルを地方の課題解決に活かしたいと考え、本活動に参画。
2021年7月から矢板市の地域活性化起業人として、矢板市のデジタル戦略策定に尽力した。
2022年12月からは矢板市のCIO補佐官としても活動開始。