こだわりの詰まった自慢のラーメンを多くの人に食べてもらいたい

福井県あわら市

まるき かつひと

丸木 克仁

福井県福井市出身。 「屋台中華まる」店主 小学6年まで祖母が営んでいた喫茶店の手伝いをしていく中で、飲食業や接客の楽しさを知る。中学卒業後に就職し、水道屋に15年間従事。電気屋と一緒に仕事をしているうちに電気を覚えたことから、修業後に独立して電気屋を起業。独立して15年、将来のことを考えていたタイミングで飲食業に飛び込む決意をし、「屋台中華まる」を開店して今に至る。

一どんな活動をされていますか?

あわら温泉屋台村 湯けむり横丁で「屋台中華まる」を営んでいます。

コロナ禍の2020年6月に開店しましたが、当初はお客さんがたくさん来てくれました。開店して5ヶ月経って他の飲食店で陽性者が出てからは急に来なくなってしまい、昨年2021年は時短営業もあったので苦しかったです。今は時短営業もなくなり、お客さんも戻ってきました。
美味しくなかったら昨年の苦しいときに閉めていたと思います。ですが、うちはほとんど残されたことないし、リピーターも多かったので希望の光を信じてやってきました。

ラーメン屋を始めるまでは、水道屋と電気屋を30年間やっていました。エアコンの取り付けでは室外機を担ぐのですが、軽いもので20kg、最大で55kgもあります。若いときは良かったものの、40歳を過ぎて体力も落ちましたし、定年後も考えるとこのままで良いのかなと考えるようになりました。

料理は好きでしたが、飲食業への興味は子どものときに祖母が営んでいた喫茶店を手伝っていたことに遡ります。できあがったときの達成感とお客さんの喜ぶ顔が嬉しかったです。そういった「誰かを笑顔にしたい」という気持ちは、水道屋と電気屋をやっていた時から今も変わっていないのかなと思います。

漠然と飲食業をやりたいと思っていた時、ちょうどここが空くことを聞いて。前のお店もラーメン屋だったのですが、これも何かの縁だと思い、自分もここでラーメン屋をやろうと決意しました。45歳のときだったのですが、手を挙げてからは誰かに習うでもなく、半年間独学でとにかく作っていました。仕事を昼に終わらせて、毎日家でスープを作っていましたね。

屋台村に入るには試験があるんですよ。初めは失敗ばかりでしたが、やる気を買ってもらえたのか合格させてもらえました。言われてなんぼだと思っていましたし、試行錯誤を重ねて今の味になりました。メニューも最初は4つだったのですが、徐々に増えていきました。

こだわりは色々ありますが、醤油が決め手です。醤油は子どものときから家で使っていたもので、他に負けない自信があったのでこれは使おうと決めていました。チャーシューを作っているときに、祖母に習ったなと思い出したりしましたね。

一今やっていることについての課題はなんですか?

ここは厨房が狭くて保管もできないので、一気に同じメニューが来ると品切れになってしまいます。

チャーハンも自慢なのですが、スープの寸胴を動かさないとコンロが使えないため、忙しくないときでないと提供ができません。お米の炊き方もこだわっていて、ジャーではなく丼ものとチャーハン用で分けています。ジャーだと水分多すぎてパラパラにならないので、パラパラになるまで数日寝かせたものを使っているんですよ。

メニューを増やしたいですし、副業して他でラーメンを出したいのですが、ここにいるとできません。やりたいことがたくさんあります。

「これは美味しいけど、あれはいまいち」という店が多いと思いますが、そういう店になりたくないので、どのメニューもこだわっています。メニューが多いと手間はかかるけど、全部美味しいと言ってもらえるように日々努力しています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

実はあと2ヶ月でここを出て、店舗を構えることになっています。ここの家賃が上がることもきっかけで、次に挑戦しろってことかなと思って。次の店舗もトントン拍子に決まりました。

店を始めて面白かったのが、店の前にまぜそばのポスターを作って貼ったところ、まぜそばの売り上げが3倍になりました。1枚貼っただけでこんなに変わるのかと。店の前にメニューがあると立ち止まってもらえるきっかけになると勉強になりました。次の店舗では、暖簾を作って目に留まるようにするつもりです。

背油もそのまま使わずに湯通しやトリミングをしていますが、手間暇を掛けるとこんなに味が変わるのかと日々発見があります。うちのラーメンはまだ美味しくなります。ですが、ここでできることはやってきたなと思っています。今は厨房が狭いことが制約になっていますが、次への挑戦のバネになっています。 

一今後の目標はなんですか?

まずは次の店舗を軌道に乗せて、落ち着いたらキッチンカーをやりたいと思っています。そこからさらに店舗を増やして…など考えています。

キッチンカーは良いことしかないんですよ。イベントなどお客さんのいるところにこちらから出向くので、確実に利益は出るし店の名前も広めることができます。店舗だとお客さんを待つしかできないので、キッチンカーではたくさんの人に食べてもらえるともう楽しみです。桜の時期に河川敷でやるのが夢です。

今キッチンカーブームなので、テレビでやっている人を見るといいなと思いますが、まず目の前のことですね。ひとつひとつ目標を決めて、先を考えて夢を追い続けています。

お金儲けも大事ですが、新しいことに挑戦して、作ったものが美味しいと言われてお金になるのは嬉しいです。「味が変わった」「美味しくない」と言われたくないので、日々努力です。みんなにうちの自慢のラーメンを食べてもらいたいです。お客さんに直接美味しいと言われることが1番幸せです。

編集後記

やりにくいと思っていることを諦めず、次の挑戦に活かして日々努力されている姿が印象的でした。仕込みの時間にお伺いしたのですが、話している間に材料を見せていただいたり、さらに試食と称してたくさんご馳走に…それだけ自信があるということだと感じました。

湯けむり横丁の店舗はカウンターだけのお店なのですが、豊富なメニューはどれもこだわりが詰まっていて、とにかく美味しかったです!麺はスープに合わせて何と4種類あり、かん水でお腹が痛くなってしまいラーメンを食べられない方も、こってり中華と濃厚煮干しであればお腹を壊さずに食べられるという特典もあります。

移転してますますお店が評判になるだろうなとワクワクです。今度はお金を払って食べに行きます!次に何を食べるかがかなり悩ましいです…

-コーディネーター紹介-

ID 栃木県矢板市

よしもと みや

吉本 美夜

東京都出身。
2014年にModis(旧VSN)に入社し、ケミストリーエンジニアとして航空エンジンやロボットのセンサーの材料開発に従事。2020年に社内教育部門に異動し、IT未経験者向けデジタル教育や企画に取り組んでいる。地域へのデジタル教育に可能性を感じ、2021年から地方創生VIのあわら市チームに参画。
大学入学後に北海道と熊本に移り住んだことがきっかけとなり、趣味は旅行と食べ歩き、温泉巡り。