厳しい財政のなか、受け入れてくださる阪南市の期待に応えなければならない

大阪府阪南市

つあき しんいち

津秋 慎一

阪南市観光協会 事務局長
一般企業より和歌山県白浜のDMO(観光地域づくり法人)に参画し、2年ほど従事。その経験を踏まえ、現在は阪南市観光協会の事務局長として「いかに阪南市を知ってもらい、阪南市への来訪者と滞在時間を増やし、阪南市にお金を落としてもらうか。」をミッションに、様々なステークホルダーの間に立って、阪南市の観光振興に尽力されている。

一どんな活動をされていますか?

阪南市観光協会の事務局長として「阪南市をプロモーションすること」をミッションとして、阪南市の観光振興に関する業務全般に従事しております。

事務局長とはいえ2名体制なので、フォトコンテストなどイベントの立案から物産展の開催、ワーケーションの促進、マーケティング、SNSやHPの運営など全てのことをやっています。

昨年から今年にかけてWEBアンケートを用いてマーケティングを行ったところ、当初想定していた平日のシルバー層だけでなく、3世代家族、女性の友人旅行、男性の一人旅にも阪南市来訪ポテンシャルがあることがわかりました。固定観念やイメージだけのターゲティングではダメで、マーケティングの重要性を改めて認識しました。さっそくHPのリニューアルも行っており、その訴求力を高めることに力を入れています。
各市町とも観光協会はありますが、単なる観光案内所でなく、域外の来訪者向けのプロモーションとイベントを実施することが必要です。しかし財政厳しい折、そのことに人材とお金をかけることはハードルが高いことも事実です。阪南市はそのような中でも予算をつけて、外部から人財を受け入れて観光に力を入れている。このことをもって、阪南市の皆さんと一緒になって観光振興に取り組み、期待に応えていきたいという思いが強いです。

一今やっていることについての課題はなんですか?

多数いるステークホルダーとの合意形成の難しさを感じています。

阪南市は大阪湾で初めて牡蠣の養殖に成功しており、知る人ぞ知る牡蠣の町。昨年は牡蠣小屋に約5,000人お越しいただいているのですが、まだ世間に「阪南=牡蠣の町」とまでは認知されておらず、プロモーションを強化していく必要があります。
そこで今回、採択された観光庁の「看板商品創出事業」の一環で、年明けに観光協会主催で阪南カキフェスティバルの開催を予定しています。国からの予算もつき、今後も定期的に開催していきたいですが、初回となる今回、市内の店舗にとって、牡蠣の試作は初めてという不安もあり、事業を推進していく中で課題も生じています。

合意形成を得るには、アイディアや立案とともに、コミュニケーションをとることが重要だと感じます。なるべく外に出て一言二言でも会話をするようにしています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

まずはステークホルダーの合意形成を得て、一つの事業、一つの観光施策を成功させたいです。
イベントに参加することで稼ぎが生まれるという旨味を一度体感すれば、前向きにかつ、シームレスに進んでいけるようになると思います。
阪南には海、夕日、古い町並み、山中渓の桜など魅力がたくさんあります。しかし観光向けの二次交通がないため、魅力のある海、山、里の繋がりを体験できない。その点でモビリティやICTを用いて何か出来ればな…と、思っています。

一今後の目標はなんですか?

近隣と比べて阪南市は開発が遅れていると言われることもありますが、保存することは、逆に武器になると考えます。東京上野のアメ横が観光整備を強く進めているわけではないのに自然体の姿がインバウントに人気であるように、手つかずの自然を活かした「本物の体験(阪南のワカメ、ノリ、カキの収穫体験など)」を強みにしていきたいと思っています。阪南は宿泊施設がないので、関西国際空港での乗り換えのトランジェット需要を念頭に、回復の見込まれるインバウンドに向けた対策も早急に行っていきたいですね。

編集後記

インタビューを振り返り、一番印象に残っているのは、「厳しい財政のなかでも予算をつけ、外部の人財を受け入れてくださる阪南市の期待に応えなければならない」と仰っているときの津秋さんの使命感と情熱を帯びた表情でした。
この部分は言葉を変えて三度仰っており、それだけ阪南市の思いを受け止めた上で、その期待に応えたいと強く思われているのだと感じました。
一方で熱いパッションだけでなく、マーケティングの分析やコミュニケーションによる関係構築も大切にされており、ビジネスパーソンとしての優れたバランス感覚も津秋さんから感じました。

-コーディネーター紹介-

ID 大阪府阪南市

おおのぎ けんと

大野木 健人

広島県呉市出身、東京都在住
地元金融機関よりModis(旧VSN)へ未経験キャリア採用にて転職し、NWエンジニアとして関西にて7年間勤務。その後、社内にてキャリアプランナーへ異動。自身も地方出身者として、地方の閉塞感を打開することで、地方を、そして日本を元気にしたいという思いから地方創生VIに参加している。