「花のまち」「自分の町」を守り、育てる人々

北海道東神楽町

たきざわゆかり / いしだみちこ / こうしまみちこ / わたなべじゅんこ

滝澤ゆかり / 石田美知子 / 光島美智子 / 渡部純子

滝澤ゆかりさん(地域づくり支援員)
石田美知子さん(おさんぽガーデンの会・会長)
光島美智子さん(花のまち 花くらぶ)
渡部純子さん(同上)
「花のまち 東神楽」の名のもとに、きれいな町づくりのために活動している。 元々花が好きで移住してきた方、移住してきてから花が好きになった方、出身は違えど、花でつながる仲間たち。花のまちだからこそ、自分の住んでいる町だからこそ、きれいな町になるように、行動し続ける。

一どんな活動をされていますか?

<花のまち 花くらぶ>は、ボランティア団体で、主に、道道の植樹帯の花植えや草取りを行っています。 この活動は3年前に当時、地域おこし協力隊だった滝澤さんの声かけから始まりました。

以前は西公園前の街路樹下は雑草が生い茂り、背丈より高い雑草も多く、そのままでは花のまちとして恥ずかしいなという思いから、活動を始めました。最初は二人からのスタートでしたが、今ではメンバーが12名に増え、週1-2回、毎回8-9割の人が集まって、活動しています。

町がきれいになることや、町の人からきれいになったねと、喜んでもらえることがとても嬉しくて活動しています。 また、今年は西公園にコキアを植え、遠くに行けなくても近所でコキアを見ることができて嬉しいという声をいただくことができて、この活動をしていてよかったなと思います。

<おさんぽガーデンの会>は、オープンガーデンという、期間を決めて個人のお庭を開放するイベントです。現在は8件のお宅が登録しています。東神楽町のお庭は全国的にも規模や花の種類など、レベルが高いと思います!ひとりで個人のお宅に行きにくい方もいるので、みんなで足を運べるようにバスツアーを企画し、今年は30人ほど参加していただきました。

このイベントにはお花が好きな方が集まるので、好きなことについて話すことができたり、花や苗の交換もできたりと、繋がりができて楽しいです。

冬は雪に覆われるため、秋のうちに植物をカットしたり、花木は折れないように棒を立てて縛ったり、冬を越せない植物は室内に移すなど冬支度をし、冬の間は主に観葉植物を育てています。また、春に向けてどんな庭にしようか想像したり計画を立てたり、わくわくしながら過ごしています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

ボランティア活動の人数がなかなか増えないことです。町内会でも同様の活動はありますが、地域によっては活動が減っていたり、年齢層が高い地域もあるので、町をきれいにする人は減っています。落ち葉の清掃をシルバー人材センターに頼みましたが、そこでも人が足りないと断られてしまったので、ボランティアの人数も減ってしまうのかなと不安です。自分の家の周りなど、自分のできる範囲で良いので関わってくれる人が増えるといいなと思います。

また、花に詳しい人が少ないことです。花や木は管理をしないと育ちません。花のまちとして町を盛り上げるのであれば、花や木が成長するには時間がかかるので、知識を持った人と一緒に、長い目で植物を育てていける体制が必要だと思います。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

インターネットやSNSを活用して、イベントなどを告知することで、活動を知ってもらうことができるのではないかと思います。関わる人数、知っている人数が少なければ、それだけで活動範囲が狭くなっていきます。

人間の目には色々な物が見えているはずですが、通常興味がない物は見えていないかのように記憶に残りません。だからきれいに咲いている花も雑草だらけの場所も、目に入っていない人もいます。しかし一度関わってくれた人は、きっと今まで気にしていなかった花や雑草にも目が行くようになります。そういう人たちが増えていくと町はどんどんきれいになっていくと思います。

また、登録制のアルバイトのような仕組み、草取りや落ち葉拾い等の活動に対して対価を支払える仕組みを作れるといいかなと思います。在宅勤務をしている方や、たまたま時間ができた方など、ボランティアの時間に活動ができなくても、好きな時間に、短時間でも関われる仕組みがあるといいと思います。

一今後の目標はなんですか?

子どもたちを巻き込んで、花育をしていきたいです。親子で草取りや花植え、その後ピクニックなどの住民が楽しめるイベントを実施したいです。花のまちに生まれ育ったので、小さいころから花に関わり知識を共有できれば楽しいと思うし、大人が楽しんでいれば、子どもたちも興味を持ってくれると思います。

また、「すてきな笑顔と花のまち 東神楽町」という看板が大きく掲げられていますが、看板の周りには草や木が目立ち、「花のまち」なのに、花が中心になっているように感じられず残念に思っていました。広報誌では、花の特集として、過去の花関係の受賞記録は載っていましたが、これからのことが載っていなかったので、町内には花が好きな人も多いので、町民からも、花のまちの未来について意見交換できるような場があるといいと思いました。

行政と町民が関わって、もっと「花のまち」を盛り上げていきたいです。

編集後記

みなさん花が好きで、好きなことで町に関わることができて、とてもいきいきとしていました。夏に視察に初めて来たときには、町の花壇や縁石はきれいに整備されていて驚きましたが、みなさんの力できれいな状態が保たれているのだなと知ることができました。インタビュー後、ご厚意に甘え、オープンガーデンにお邪魔させていただき、手作りのアーチや、たくさんの草花の数、今まで見たことのないお庭で感動しました。
花が大好きなみなさんと、我々で、もっと「花のまち」を盛り上げていければいいなと思いました。

-コーディネーター紹介-

ID 北海道東神楽町

みやざわ なるみ

宮澤 なるみ

群馬県藤岡市出身。
文系の大学を卒業後、ITの世界に入る。2020年にModis(旧VSN)に入社。
主に、企業のWebアプリケーションの開発に携わる。企業だけではなく、より近いことのために働きたい、また、自身が地方出身であることから、地方創生VIに興味を持ち参画。
プライベートでは、マンドリンの社会人サークルに入り、演奏会に向け励んでいる。